赤ずきん ページ24
派手な音が廊下に響く。間一髪で避けたが、あのまま避けなかったら血の海が広がっていただろう。
「なぁ、お前赤ずきんって知ってるか？」
『……知ってますが』
「可哀想だよなぁー、狼。生きる為に食っただけなのに、あんな仕打ちをされるなんて。でもそれは、ハッピーエンドでの赤ずきんの話だ。お前、本当の赤ずきん知ってるか？食い殺したおばあさんに化けた狼は、赤ずきんを食べてしまうんだ」
そう言うと、再度大剣を振ってきた。避ける度に傷口が開いている気がする。
『何の繋がりで赤ずきんの話を』
「そうだなぁー、例えば俺の大剣におばあさんの血が染みているとしよう。後は……わかるよな？」
赤ずきんに例えた私を殺るだけ、ということか。勿論、こんな所で殺られる訳にはいかない。それに、1つ疑問が残っている。
『おばあさんとは一体誰を指しているのですか』
「あぁ？おいおい、仲間擬きのことを忘れたのか？可哀想だなぁ〜。アイツ、お前の為に俺らに追いついて来たのに。斬っても斬っても、立ち上がってたぞ？フラフラとよぉ。ヨボヨボの爺さんみたいだったぜ」
その時の事を思い出したのか、大きな声で笑いだした。その笑い方はまるで、悪魔でも潜んでいるのではないかと思った。
『爺さん……貴方はおばあさんと言っていた筈ですが』
「この世界で女なんてお前しか見たことねぇよ。そうだな、ヒントを与えてあげよう。ヒントは、赤だ」
赤と言われ、思い付いた人物は1人。
『坂田さんですか』
きっと、助けようとしたけど此奴に返り討ちを喰らったという事だろ。それを赤ずきんで例えていたのか。
坂田さんは無事だろうか。仲間では無いにしても、お世話になった人にが殺られるのは御免だ。
其奴は気味悪く北叟笑み、再び襲いかかって来た。
「やっと正解かよ。つーか避けんなって、傷口が開いてんだろぉ？早く楽になろぉぜ」
般若の方に念を押されたように言われた言葉を思い出す。あの方はもう1つ大事なことを言っていた。
(此奴が襲って来たら、適当に何処かの部屋に入る……)
このまま来た道を戻れば、あの医務室に辿り着く。しかし、あの部屋を荒らす訳には行かない。ならば、どうにかして前を歩いていた彼奴を抜けて部屋を見つけるしかない。
『っ……』
「あ？あー、良く抜いたな。イイじゃん、追いかけっこは好きだぜぇ！」
少し廊下が広くて助かった。しかし、問題はこの後だ。兎に角部屋を探さなければ。
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ふわ - 全然大丈夫ですよ！この小説すきので無理をなさらない程度に頑張ってください ！ (2019年1月15日 21時) (
レス) id: 6b0daac0a7 (このIDを非表示/違反報告)
桜貝(プロフ) - ふわさん» 遅くなってしまい、申し訳ありません。励みになるコメント、ありがとうごさいます。 (2019年1月15日 1時) (レス) id: 6b2a63191d (このIDを非表示/違反報告)
ふわ - 好きです！頑張ってください！ (2018年12月11日 21時) (レス) id: 6b0daac0a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜貝 | 作成日時：2018年8月31日 23時
