＊ ページ16
利き手の右手にサバイバルナイフを握る。時折雨が目に入るのが厄介だ。
……今だ。
何度目かの雷を避けたところで、一気に距離を詰めた。
「あっぶな！ていうか、速い……」
外してしまったことより、予想以上の速さが出たことに驚く。いや、驚いてる暇は無い。畳み掛けなければ。
「ッチ……。近距離は得意じゃないのに……」
志「Aが近距離に持ってったで」
セ「どうやら、Aちゃんは努力家やったみたいやな」
坂「どういうことなん、それ？」
セ「まぁ、見とき」
センラさんがニヤニヤしているのが見えた。あの意地悪そうな笑みに、どうやら私は応えられたみたいだ。
隙を見て、頭に蹴りを入れる。しかし、それは両腕で受け止められてしまった。
一旦下がろう。下がり過ぎないように丁度いい位置まで。もしかしたら、近距離の技を持っているかもしれない。
すると、風を切る音がした。後ろにあった岩に小さな穴が空いていた。軌道の先を見ると、白髪の方が手をピストルのような形にしていた。人差し指から水が滴っているのが見えた。
腕にはまふてると言う人形を抱いていた。人形の力を使って、自分の指から水出しているのだろう。
厄介なことに、この技は連射できるみたいだ。雨のせいもあるのか、少し自分の動きが遅くなってきた気がする。体力が無くなる前にけりをつけなければ。
「何処でそんなの覚えて来たんだよ……！」
『本です』
覚えたての武術を使い、白髪の方を圧す。しかし、直ぐに守りの体勢に入られてしまった。
「はぁ……はぁ……」
気付けば白髪の方は、肩で息をしていた。能力と武術での疲れだろう。しかし、それは私も同じだ。能力は使ってないが、避けや雨のせいであちらより体力が減っている気がする。
ふと前を見ると、白髪の方と目が合った。どうやらあちらも同じ事を考えているみたいだ。
2人で一斉に飛び出すと、拳を突き出した。
『え……』
「そらるさん、邪魔しないでください」
そ「時間だよ」
拳同士がぶつかると思ったが、そこにあったのは手の平で私達の拳を受け止めているそらるさんが立っていた。
その言葉を聞いたと同時に、一気に疲れが襲い、雨で濡れた身体が砂に付くのも気にせずに、倒れ込みようにして地面に寝転んだ。
セ「よう、頑張ったなぁ」
センラさんにお礼を言いたかったが、過呼吸で言葉を発することが出来なかった。
そのまま本能に従うように、眠りについた。
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ふわ - 全然大丈夫ですよ！この小説すきので無理をなさらない程度に頑張ってください ！ (2019年1月15日 21時) (
レス) id: 6b0daac0a7 (このIDを非表示/違反報告)
桜貝(プロフ) - ふわさん» 遅くなってしまい、申し訳ありません。励みになるコメント、ありがとうごさいます。 (2019年1月15日 1時) (レス) id: 6b2a63191d (このIDを非表示/違反報告)
ふわ - 好きです！頑張ってください！ (2018年12月11日 21時) (レス) id: 6b0daac0a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜貝 | 作成日時：2018年8月31日 23時
