117話 ページ25
エイジside
ツ「じゃ、また明日！
Aちゃんは、月曜だね！」
A「うん！
修学旅行楽しもうね！」
そらの家を出て、みっくん、りっくん、佐々木と別れた。
エ「今日はわざわざありがとな。
部活終わりで疲れてんのに。」
隣にいるAちゃんに、正面を向いたまま伝えた。
すると、Aちゃんは俺の右手をギュッと握ってきた。
A「疲れてるのなんか関係ないよ。
エイジくんのお誕生日を祝いたかったんだもん。」
エ「ん。」
俺は手を握り返した。
好きな人に祝ってもらえるのってこんなに嬉しいんだな、と頬が緩んでいるのが分かった。
20分程歩くと、見慣れた家が見えてきた。
あー、もうAちゃんともお別れか、なんてこの時間を噛み締めながら家まで歩く。
エ「じゃ、おやすみ。」
家の前まで送り届け、Aちゃんに背を向けて歩き始めた。
A「エイジくん！」
その時、突然Aちゃんに手を引かれた。
ゆっくり振り返ると、Aちゃんはカバンの中から赤い袋を取り出した。
A「これ。」
それを俺の目の前に差し出された。
A「お誕生日おめでとう！
おやすみ！」
エ「あ、ちょ！」
俺がお礼を言う前に急いで家に入ってしまったAちゃん。
俺はその場で袋を開けた。
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作者名：結城奏空 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/zyaniotabosyuu/
作成日時：2018年10月7日 22時
