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＋柏元ゆんな/褪紅様
呼称︰ゆんなさん
夢の中で出会った、たった一人の同い年。
知らない相手だらけで目覚めた夢の世界で、なんとなく年の近そうな雰囲気のあった享に彼女の方から声を掛け、言葉を交わすように。
初めは彼女の明るさを夢の中という特殊な状況もあり少し不思議に思っていたりもしたが、同い年であるというそこはかとない親近感から他愛もない会話をすることも多くなり、享も彼女とは友人同士であるという認識でいる。探索に出る際は、彼女に手を引かれてその輪の前の方に加わることも。
彼女の感情が昂って涙腺が緩んだときには、ハンカチを差し出したり、背中をさすってあげたりと享はできる限りで経過を見守る。だが、大抵の場合何故泣いているのかが分からない為、とりあえずで様子見をしているといったところ。なのでその後は大体悲しいのか、と本人に訊ねたり、近くで首を傾げていたりする。
呼称は初めは“柏元さん”にしようとしていたのだが、彼女から下の名前で呼ばれてからは享も其方に合わせて“ゆんなさん”と呼ぶようになった。
「隣の、部屋……扉が、重厚です。開く…………の、でしょうか。……ゆんなさんは、このお屋敷の中……どれくらい、広いと……思いますか」
「何故、泣いているんですか。悲しい、んですか。…………そうじゃ、ないです？なら……何故、まだ涙が、止まっていないんですか？」
＋李山咲楽/褪紅様
呼称︰咲楽さん
夢の中で、よく行動を共にする仲間。
彼女の従姉妹と交流が深まったこともあり、その従姉妹につられる形で彼女の後を、他の子供達の半歩後ろからではあるがついていくようになった。
出会ったばかりの頃は、自分はただ流れでついていっているだけだったので彼女に積極的に話しかけたりはせず、話すときも名前はあまり呼ばずに、呼んでも“李山さん”とあくまでも他人行儀だった。
が、享が探索中に気になる本を見つけて立ち止まったり、集団から逸れたりしていると声を掛けてくれるのは大抵彼女であり、そこから享は特に目立っていない自分のことまでもこの人はしっかり見てくれているのか、と少しずつ彼女に信頼を寄せるようになった。
故に今では、“咲楽さん”と彼女を呼んでいる。
「咲楽、さん。ここの、本……最後の四巻目だけ、紛失、してる……ようです」
「……はい。すみません、咲楽さん。あの部屋の、本棚が気になって……止まって、しまって」
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