及川兄弟は性格が悪い。

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構えていた日向の顔が次第に怯える表情に変わったのは、ボールが後方にバウンドした時だった。

速い。とても高校1年生とは思えない。

暁は笑って言う。

『...ははっ、それのどこが“頑張ってきた”だよ
全力でこいよ、全力のテメェをぶっ潰す！！』

「おい！お前ら止めろ！！！」

そんな主将の声も聞かずに、暁はまたボールを掴んだ。

日向も静止の声を聞かなかった。

「...もう一本！！次は捕る！！」

圧倒的な力の差を見せつけられても、諦めた様子を見せなかった。

その姿は、余計に暁を苛立たせる。

『...上等だオラ』2本目のサーブを打とうとする時、烏野の教頭が体育館に入ってきた。

嫌味な顔で、言う。

「なにやら騒がしいね、喧嘩かい？」

主将が、笑顔を無理矢理貼り付けて返した。

「いえいえ、切磋琢磨ってや...
言いかけたところで主将の声は止まる。

日向が捕り損ねたボールが教頭の顔面を直撃してしまった。


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