愛は故郷にありました。 (ページ41)

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ナースの体調不良2 ページ41

ゆみサイド

ふー危なかった。
松本先生に見られてたとは思わなかった。

ナースなのに体調管理ができてないなんて思われたくない。
特にこの診療所、この島のナースは私一人。
私が体調を崩すわけにはいかない。

そう思って気合を入れてみるけれどやはり辛いものは辛いし、痛いものは痛い。

ちょうど生理2日目で昨日の夜から腹痛と頭痛がひどい。
身体のだるさもあるけれどそれはなんとか耐えられる。

朝家出るときに痛み止めを飲んだけどそろそろ切れてきたのかも。
とりあえずAさんのランチの準備をして病室まで運ぶ。

どうか和先生には具合が悪いことばれませんように。

「お待たせしました。お昼ごはん持ってきましたよー。あ、だいぶ元気そうになってきましたね、嬉しい。」

A「毎日本当にありがとう。ゆみちゃんのおかげでもう元気になったよ。」

「良かったです。最初は和先生もすごく心配してたから、笑顔が見れるようになって本当に良かったです。」

トレイを台の上に載せてセッティングしているとお腹にズキっと痛みが走った。
ここで倒れるわけにはいかない。どうにか乗り切らないと。
なるべく普通を装って笑顔で対応する。

「食べ終わったらトレイはいつもみたいに受付に置いておいてくださいね。」

なるべく早くここから退散しないと。
ちょっと不自然かなと思うほど速足で病室から出る。
診察室にいる和先生に見られないようにまた裏口へ向かう。

はあはあはあ。
痛み止めカバンの中に入れっぱなしだ。どうしよう。

裏口を出てすぐにしゃがみこんでしまった。しばらくこうしてるとおさまるかな。
深呼吸を繰り返して気持ちを落ち着かせる。

どうか誰にもばれませんように、と祈りながら顔を膝にうずめる。
どのくらい経っただろう。あんまり長く不在にすると怪しまれちゃう。

立ち上がってみようと思ってもまだ痛い。
どうしたものか、と考えながらも同じ体勢のまままたしばらく時間が経ってしまった。

潤「やっぱり具合悪そうだね。にの呼んでくるからちょっと待ってて。」

松本先生の声が聞こえた。和先生にだけは迷惑かけれない。

「松本先生、私は大丈夫なんで、和先生には言わないでください。ナースは私一人なんです。私がいないと和先生の仕事増やしちゃうことになるし、迷惑かけれないので。」

必死に訴える。

潤「わかった。じゃあにのには言わないから俺に話してくれる？どうした？体調が良くないのは一目瞭然だよ。」