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「師範!起きてください!!」



耳を劈く煩い声と激しく体を揺すぶられる衝撃によって、気分が悪い起床。



「やっと起きましたか!」



ボヤける視界を目を細めて補正すると、いつになくピンピンとしている弟子の姿がある。何だ?何でだ?コイツは熱を出してぶっ倒れていた筈じゃ…



「お前、何で…」

「言ったじゃないですか、一日で治してやると。熱なんぞ私にかかれば一晩で完治させることなど容易いこと!誰かさんとは違うんです。」

「あ?テメェ喧嘩売ってんのか?」



俺を見ながら得意げに豪語するAにプチッと何かが切れる。



「そんなことより!師範ってばそんな薄着で一晩私に付きっきりだったなんてどういうおつもりですか!」



凄む俺を無視し、ビシッと俺に指を指しながらAが言う。どんな格好でいようがそれは俺の勝手だろうが。



「折角風邪が治ったというのに、また風邪でも引いてしまったらどうするんですか!」



また俺の心配。それはもはやコイツの性分で今に驚くようなことではないが、Aも本調子に戻ったというところか。それにしても胡蝶が寄越した薬、凄えな。それとも…

昨晩の事。唇に残った感覚を思い出すと、ブワッと熱が込み上げてくる。


俺は何てことをしちまったんだァ。


あれは最早寝込みを襲ったと言っても過言ではない。こんな事、Aはおろか誰かに知られでもしたら…



「師範?」

「ッ、!」



ズイッと顔を近づけてくるAに言葉も出ず、思わず後ずさってしまう。



「師範?どうかしましたか?」



訝しげな顔で問うAを前に、冷静さを保つので必死だ。不味い、変な汗出てきやがった。



「いや、何でもねェ。」

「そうですか?ならいいんですけど。それじゃあ私は朝食の準備をしてきますので。」



そう言ってAが部屋を後にしたあとも、俺はそのまま固まって暫くの間動けないでいた。

バクバクと速まる心拍に驚き咄嗟に胸を押さえる。何だ、これは。Aの顔が近づくと同時に跳ね上がった心臓。そりゃ昨晩の事を思い出しちまったからだろうけど、なんで未だに心拍が落ち着かない?

クッソ。時透の野郎…ありゃ本当に呪いか?



呪い(まじない)じゃなくて呪い(のろい)の間違いじゃねェだろうな。





歯車は動き出す。

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瑠璃瑚(プロフ) - 釈迦様さん» お恥ずかしい変換ミスです…作中一通り見直して訂正はしたのですが、まだ直っていない箇所が有ればご指摘頂きたいです。 (2020年2月19日 20時) (レス) id: f99ae6b9f6 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃瑚(プロフ) - しらとぅさん» なんとお優しい、、ありがとうございます!>< (2020年2月19日 20時) (レス) id: f99ae6b9f6 (このIDを非表示/違反報告)
釈迦様 - 師範が市販…°。:(°ε°)ブフッ! (2020年2月17日 0時) (レス) id: bccea59c19 (このIDを非表示/違反報告)
しらとぅ(プロフ) - 瑠璃瑚さん» いえいえ!誰でもミスはありますよ!これからも頑張ってください! (2020年2月8日 20時) (レス) id: 785ac6cfee (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃瑚(プロフ) - しらとぅさん» ご指摘ありがとうございます!お恥ずかしい変換ミスをしてしまいました、、>< (2020年2月8日 20時) (レス) id: f99ae6b9f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑠璃瑚 | 作成日時:2020年1月11日 14時

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