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屋敷が静かだ。


縁側に寝そべり肩肘をついてボケーっと空を眺めてもうどれくらい経ったか。いつもならおやつの時間が待ち遠しかったりもする筈なのに、ここ最近は気が乗らねェ。


暇だ。

鍛錬でもするかと基礎訓練をしてみても、どこか気が引き締まらない。



「だぁ〜…ンだよこれェ。」



ストンと腰を落としてしゃがみ込むと、髪をガシャガシャと掻き乱して頭の中の靄を払う。そう、靄。俺の中にある靄はここ数日で俺の中に渦巻き、支配している。


なんでだァ。一体なにが原因だ。こんなに気分が晴れねェのはここ最近のことで、少し前まではこんなこと考えたこともなかったってのに。


おはぎの特売、竈門炭治郎と竈門禰豆子、玄弥…

気がかりなことはあるとはいえどれも違う。どれか当てはまるものはないかと考えている中、脳裏にチラつくのはあいつの顔で。一緒におはぎを買いに行く、あの兄妹とは仲が良いのか、弟とはどんな話をするのか。全部にあいつが絡んでくる。



「Aの奴、いまどこで何してやがんだ。」



「私はここにいますけど。」

「うおわっ?!!」



返ってくる筈のない返事が返ってきたことに驚き、俺は情けない声を上げて尻餅をついた。バッと顔を上げると、そこには両手に買い物袋を下げたAが立っていて、訝しげな目で俺のことを見下ろしている。



「何やってるんですか師範。」

「き、急に現れるんじゃねェよ!」

「はあ?師範が私の名前を呼ぶから返事しただけなんですけど!それに!私はちゃんと一声掛けてから屋敷に入りました!」



俺に挨拶を済ますと、Aはそのまま台所に向かった。それを追うようにして、俺も立ち上がって台所に行く。



「最近お前どこに出掛けてんだァ?」

「ええ?!蝶屋敷での機能回復訓練に参加するとお伝えしましたよね?」

「あァ?んなこと聞いて…」

「いいえ伝えました!どうせ師範が人の話を聞いていなかっただけでしょ!」



カチンと頭に来るのを感じる。も、何故かいつものような怒りは湧いてこない。Aがどこで何をしているかが明確にわかり、気持ちが晴れたからなのか…



「やだ師範ってば、もしかして私がいなくて寂しかったんですかぁ?」



にやにやと笑うAを見て、沈んでいた怒りが結局湧く。



「私、今晩から長期任務で数日いませんけどそんなんで大丈夫ですか?」



スンと、怒りが引く。

いや待てやそれは本当に聞いてねェぞ。俺、Aに翻弄され過ぎじゃねェか?

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瑠璃瑚(プロフ) - 釈迦様さん» お恥ずかしい変換ミスです…作中一通り見直して訂正はしたのですが、まだ直っていない箇所が有ればご指摘頂きたいです。 (2020年2月19日 20時) (レス) id: f99ae6b9f6 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃瑚(プロフ) - しらとぅさん» なんとお優しい、、ありがとうございます!>< (2020年2月19日 20時) (レス) id: f99ae6b9f6 (このIDを非表示/違反報告)
釈迦様 - 師範が市販…°。:(°ε°)ブフッ! (2020年2月17日 0時) (レス) id: bccea59c19 (このIDを非表示/違反報告)
しらとぅ(プロフ) - 瑠璃瑚さん» いえいえ!誰でもミスはありますよ!これからも頑張ってください! (2020年2月8日 20時) (レス) id: 785ac6cfee (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃瑚(プロフ) - しらとぅさん» ご指摘ありがとうございます!お恥ずかしい変換ミスをしてしまいました、、>< (2020年2月8日 20時) (レス) id: f99ae6b9f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑠璃瑚 | 作成日時:2020年1月11日 14時

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