Episode66 ページ18
先輩がわざわざ出向いてやらないと機嫌もなおらないなんて、難儀な後輩だな。
しかしどんなに贅沢で手がかかっても、やっぱり後輩とは可愛いものである。
下に弟も妹もいなかった私はとにかくそう思うのだ。
『ほれ。こんなもんだろ』
後ろ髪を梳かしながらそう言い、レギュラスも前を向く。
『ハンサム君の復活だね』
鏡を含めた道具一式を収納した後、仕上がりを確認しながら、さりげな〜くレギュラスの目の下の隈をなぞる。
私の指が触れた場所から、音もなく消えていく青黒い跡。
何に必死なのか大体の察しはつくが、せめて今夜はゆっくり眠れるように。
こっそり時限式の催眠魔法をかけておいた。
名前を言ってはいけないあの人＿＿ヴォルデモート卿が勢力を広げ、且つ純血の象徴たるブラックファミリーが目をつけられている今、次期当主のレギュラスが表立ってヴォルデモートに反旗を翻せば、彼のみならず親族一同が危険に晒される。
徹底抗戦の意思を見せるには、まだ早すぎるのだ。
ごめん、レギュラス。
まだ君を光側へ連れて行ってあげられない。
今だけは許してほしい。
『今後も、何かあるときはいつでも呼んでくれ』
贖罪とばかりに、クサい台詞を去り際に吐き、私はレギュラスの部屋を後にする。
「…ありがとうございます」
ドアが閉まる前に小さく聞こえたそれだけで、お代は十分だ。なんならお釣りが出るくらい。
とりあえず、久しぶりに君の声が聞けて良かったよ。
・
「この頃随分忙しそうじゃな、A」
キラキラした碧眼を細めて、アルバスが言う。しかしその眉は困ったように下がっていた。
校長室にて、閉心術の訓練中にふと言われた。
閉心術の出来が荒いとでも言いたいのか。
確かにアニメーガス習得やらレギュラスへの個別訪問やら、イベントが大量発生したせいで質が衰えたのは事実だけれども。
彼も流石に聖人ではない。
『なんでこんなにできないのかサッパリなんだよ。開心術は上手くいくのに』
我ながら言い訳じみているとは感じるが、本音という名の愚痴をストレートにぶつけ合える貴重な機会だ。
「いいや、儂が言いたいのは他のことじゃ」
…やはり大賢者にはお見通しですか。
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篠瀬(プロフ) - mikittyさん» 楽しみにしてくださっている方がいらっしゃると頑張れます！コメントありがとうございます😊 (4月17日 18時) (
レス) id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - また更新されるのが楽しみです！ (4月6日 18時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
篠瀬(プロフ) - コメントありがとうございます☺お返事遅くなってしまってすみません💦お話のお誘い、とっても嬉しいのですが、私自身ボードについてなどよく分かってなくて…💦すみません🙏 (2月15日 18時) (レス) id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - 篠瀬さん» ✉️。こんにちは、とても面白いですね！もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか？お返事お待ちしています、更新応援してます💖 (1月8日 14時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
篠瀬(プロフ) - あまねさん» わたしもあなたのこと大好き。コメントありがとうございます☺☺ (10月9日 19時) (レス) @page9 id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：篠瀬 | 作成日時：2023年7月17日 9時
