検索窓
今日:1 hit、昨日:7 hit、合計:5,945 hit

第158話「太宰さんの補佐」夢主 ページ16

「待って、いろはちゃん!護りに行くって……如何やって?此処からは結構距離が有るし、間に合うとは思えないんだけど……」

そう云う敦くんに、私はニヤリと笑うと、王女を呼び出す。
それは、護りの王女でも、形だけの王女でも無い。

「……そうだね。前までの私なら、絶対に間に合わない。……けど、今の私には王女が居る。」

それだけ云うと、私は階段を駆け下り、外に出ると、背後から付いてきていた王女の方を向き、‟お願い”した。

「王女、お願い。私を太宰さんの所まで連れて行って。出来るだけ早く!」

……と。
私のその言葉を聞いた王女は、少し頷くと私を抱きかかえ、飛び上がる……と、一瞬のうちにヨコハマは私の遥か下に遠ざかる。
この王女は女王のスピードだけを受け継いだ存在で、防御力も攻撃力も殆ど無い。
故に、この状態で奇襲でも仕掛けられようものなら、私は高確率で死に至るのだが、それは殆ど無いだろう。

……何故なら、マフィアにとっても、組合にとっても、勿論探偵社にとっても……私の死は不利益しかないのだ。
理由は不明だが、私に賞金を懸けた組合に、戦力として私や太宰さんを連れ戻したいポートマフィア。
探偵社にとっては、私は護りの要である(勿論、探偵社が私に奇襲をかける理由など無いのだが)。

……なんて考えているうちに、王女は速度を落とし始めた。
そして、王女が私を降ろしたのは……

「……あの車の中に太宰さんと安吾さんが?」

とあるビルの屋上であった。
振り返り、王女にそう問いかけた私に、王女はこくりと頷いた。
私は有難う、と礼を云うと異能を解く……と、満足そうな表情のまま、王女は消滅した。

其れを見届けると、私は辺りを見回す。
……此方に迫ってくる一台の大型車(トラック)は、速度を落とす気配は無い。
となると、何者かの罠、若しくは攻撃と考えるべきだろう。
太宰さんが其れを予想していない訳が無い。
大怪我をすることも想定済み、となれば……うん、思いついた!

私は微笑み、異能を発動したのだった。

第159話「怪我」夢主→←第157話「幾つかの最適解」夢主



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
4人がお気に入り
設定タグ:文スト , 中島敦 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:業猫 | 作成日時:2019年9月9日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。