第157話「幾つかの最適解」夢主 ページ15
代理人。
太宰さんと密会するならば、意思疎通がし易い人物として、関わりが有る人物として、必然的に安吾さんになるだろう。
最適解だ。
……最も、感情や過去の出来事を考慮しなければ、だが。
詰まり……
「相性は最悪、まるで愚者の考えた作戦の様。…けれど、それでも太宰さんが行ったとなると……。」
それ以上に利益が有ったという事になる。
利益……特務課を手札の一つとすることか。
確かに、上手く行けば探偵社の勝利は殆ど確実になるだろう。
……というか、でも何故一人で?
確かに戦線離脱は願ったが太宰さんの護衛はまた別の話である。
というか特務課と太宰さんは、基本的に相性最悪なのだ。
一人で交渉に向かうなんて、太宰さんらしくない。
太宰さんは感情なんかも考慮した最適解を選ばれる。
何処かのロリコン中年野郎とは違うのだ。
それにも関わらず、向かわれたとなると何か有ったとしか思えない。
私の知らない、何かが。
太宰さんを追い詰める程の。
「……いろはちゃん?如何したの?」
「おや?私の監視を太宰に云い付けられたのでは無かったのかえ?」
立ち上がってドアノブに手を掛ける私に、敦くん達は不思議そうにそう云う。
私は、何時もの様に笑って答えた。
……曰く、
「太宰さんの考えが読めました。今から太宰さんを護りに行ってきます。」
と。
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作者名:業猫 | 作成日時:2019年9月9日 16時