検索窓
今日:1 hit、昨日:7 hit、合計:7,386 hit

第135話「重力遣い」ソル ページ43

「監視映像弐番と伍番が停止!」
「自動迎撃銃を起動せよ!」
「…無駄です!僕、行ってきます!」
「あっ、ソル!乱歩さんもソルを止めて…__」

後ろから飛んでくる与謝野先生の制止にも耳を貸さず、僕は全速力で走っていく。
少し廃路線を駆けた後、「生きてる奴が出て来いよ」と云う中原中也の…中原幹部の声が聞こえてきた。

「…へェ、ソルじゃねェか。久しいなァ…裏切者…否、名前通り、侵略者(・・・)だっただけかぁ?」
「お久しぶり、中原中也さん。貴方は既に僕の上司では無い。…だから、不必要な事は話さないよ。」
「賢い判断なんじゃねェか?…敵に塩を送ることは無ェからなァ!」

中也さんはそう云いながら、僕に向かって打掌(パンチ)を繰り出す。
…そこで、僕はいろはになり、全反射(オールリフレクト)する。

「へぇ…。…ンな異能だったのか、お前。」
「…知らなかったのかい?あの(・・)マフィア五大幹部の一人たる、中原中也が?」
「お前は便利屋で、異能を使わなきゃなンねェ仕事は殆ど無かった。」

彼の足蹴が、僕を襲うが異能を発動するまでもなく(・・・・・・・)、僕は少し動いて受け身を取ることでダメージを殆ど無くし、更に勢い余った彼は壁を円形に凹ませる。

「…ムカつくなァ、ソル。戦い方が青鯖に似てるぜ。」
「太宰さんに?それは光栄だな。我が恩人であるいろはが慕う人物だ。嬉しいよ、中原中也。」
「ふン…だがな、ソル!攻勢に出なきゃァ勝てねェぜ!ほら…来いよ、ソル」

そんな会話をしながらも、僕は彼の攻撃を時には受け身で、時には異能を発動して交わしていく。
例えるならば、舞踏会の様に美しく、足音や攻防による音が、狭い廃路線内に響いていた。

「……否。僕は勝たなくていい。」
「…成程なァ。援軍はたった二人か?見縊られた話だぜ。」

僕の背後から現れた与謝野先生と宮沢さんを見ると、彼は攻撃の手を止め…大きな溜息を吐いたのだった。

第136話「対重力遣い」ソル→←第134話「訪問者」ソル



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (4 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
6人がお気に入り
設定タグ:文スト , 中島敦 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:業猫 | 作成日時:2019年7月10日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。