第135話「重力遣い」ソル ページ43
「監視映像弐番と伍番が停止!」
「自動迎撃銃を起動せよ!」
「…無駄です!僕、行ってきます!」
「あっ、ソル!乱歩さんもソルを止めて…__」
後ろから飛んでくる与謝野先生の制止にも耳を貸さず、僕は全速力で走っていく。
少し廃路線を駆けた後、「生きてる奴が出て来いよ」と云う中原中也の…中原幹部の声が聞こえてきた。
「…へェ、ソルじゃねェか。久しいなァ…裏切者…否、名前通り、
「お久しぶり、中原中也さん。貴方は既に僕の上司では無い。…だから、不必要な事は話さないよ。」
「賢い判断なんじゃねェか?…敵に塩を送ることは無ェからなァ!」
中也さんはそう云いながら、僕に向かって
…そこで、僕はいろはになり、
「へぇ…。…ンな異能だったのか、お前。」
「…知らなかったのかい?
「お前は便利屋で、異能を使わなきゃなンねェ仕事は殆ど無かった。」
彼の足蹴が、僕を襲うが異能を発動
「…ムカつくなァ、ソル。戦い方が青鯖に似てるぜ。」
「太宰さんに?それは光栄だな。我が恩人であるいろはが慕う人物だ。嬉しいよ、中原中也。」
「ふン…だがな、ソル!攻勢に出なきゃァ勝てねェぜ!ほら…来いよ、ソル」
そんな会話をしながらも、僕は彼の攻撃を時には受け身で、時には異能を発動して交わしていく。
例えるならば、舞踏会の様に美しく、足音や攻防による音が、狭い廃路線内に響いていた。
「……否。僕は勝たなくていい。」
「…成程なァ。援軍はたった二人か?見縊られた話だぜ。」
僕の背後から現れた与謝野先生と宮沢さんを見ると、彼は攻撃の手を止め…大きな溜息を吐いたのだった。
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作者名:業猫 | 作成日時:2019年7月10日 12時