第132話「暗号…?」ソル ページ40
「暇だから
暇を持て余した江戸川さんが、元気よく立ち上がる。
僕は、その言葉にお気に入りの本から顔を上げた。
隣では、与謝野先生が新聞を読みふけっている。
「あっ、もうない?じゃ、もういいや、しりとりで。『殺人事件』!」
「乱歩さん、早速終わってるよ。」
与謝野先生は顔を上げず、静かにツッコんでいる。
…成程、何時もツッコんでいる敦さんが居なければ、与謝野先生がツッコミに回るらしい。
普段は只の「傍観」だが。
「
「妾ゃもうツッコまないからね」
「確か『ん』から始まる都市が有りませんでしたっけ?」
「云わないよ!僕が云っちゃあ敵に塩を送ることになっちゃうじゃないか!」
僕が乱歩さんに、ふと思い出してそう声を掛けていた頃、宮沢さんは社長に教わりながら国木田さんに電話をかけようとしていた。
「……何してるんだい、宮沢さん?」
「ソルさん!博識そうな国木田さんなら何か知っているかもしれないと思って、今から電話するとこなんです!」
「…へぇ」
「えー、賢治くんそれズルじゃない?」
僕の問いかけに、にこにこと答えた宮沢さんの返答に乱歩さんは口を尖らせ、不満の意を表する。
…一方、隣で新聞を読んでいた与謝野先生は顔を上げ、楽しそうな顔をして見始める。
何度かの呼び出し音の後、国木田さんの声が聞こえてくる。
『賢治か。如何した。』
「国木田さん、『ん』から始まる言葉って何でしょう?」
『?何だ。急に素っ頓狂な質問を……』
「宮沢さん、経緯を説明しなければ国木田さんとて混乱するんじゃないかな……」
「確かに!国木田さ……」
宮沢さんが国木田さんに説明をしようとしたその時、国木田さんは
『判ったぞ賢治!その刺客はイニシャルがNの人物だな!?」
「……何の話ですか?」
考えすぎな国木田さんに、その場にいた全員が苦笑いするのだった。
___一方その頃、中原幹部がくしゃみをしていたらしい。
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作者名:業猫 | 作成日時:2019年7月10日 12時