第97話「事件の露見」夢主 ページ4
「おい、朝刊見たか!」
「
国木田さんは手に新聞を握り絞めて社に入って来た。
太宰さんは(珍しく)真面目な顔で、テレビを見ながら答える。
私は敦くんの横で、社の皆がテレビを見ている後ろ姿を見ていた。
ソルは私の後ろで、静かにその様子を見ている。
この時間にしてはいつもより大分騒がしい。
テレビからはアナウンサーらしき女の人が緊張した様子で話しているのが聞こえてきていた。
『事件現場です!ご覧ください…七階建ての建物が、一夜にして消滅してしまいました!一部情報筋では消滅した建物はポートマフィアのフロント企業が入っており、構成員の事務所として使われて居たとの情報も有ります。市警では、敵対組織による襲撃の可能性もあると見て、軍警にも協力を要請しつつ_』
「やはり寮にも賢治君は居ません」
それはそのはずである。
だってアンの部屋に囚われているのだから。
「……」
「逆らう探偵社も用済みのマフィアも全て消す、か」
「谷崎、これ以上単独で動くな!敦とアグラソルと組んで賢治を探せ!太宰と暁は俺と社長室に来い、社長会議だ!」
私は正直太宰さんからの言いつけを守りたいのだが、仕方が無いので国木田さんの言葉に、従う事にする。
「…谷崎さん、ソル。敦くんのこと、私の代わりに…宜しくね。絶対に護ってね?」
「嗚呼…」
「任せてくれ、いろは」
こうして、この事件は陽の光を浴びる事になったのだった。
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作者名:業猫 | 作成日時:2019年7月10日 12時