第64話「仲直り」夢主 ページ17
「……ごめんなさい、ちょっとやり過ぎました。」
「分かったなら良いんだけど……もうアグラソル君を困らせちゃいけないよ。」
「「すみませんでした……。」」
森さんの部屋で、二人並んで頭を垂れる私と中也さん。
私達は“とんでもない喧嘩になる”と危機を察した見張りがたまたま前を通りかかった紅葉姐様に相談し、森さんに伝わり……無事、雷が落ちたのだった。
……別に怖くないもん。
確かに勝てないけど、でも怖くないもん……。
……怖くないから!!
「ご、御免よ……いろは。僕が悪かった……。」
「……いや、ソルは悪くない。だって止めてくれたし……反抗したのも私だし。あぁするしかなかったとはいえ、ね。」
謝ってくれるソルに、私はこちらこそ……と謝る。
「まァそうだな。俺も悪かった、ソル。部分的な情報で判断しちまった。芥川がいろはにちゃんと伝えられてなかったっつー失敗らしいな。……許せ。」
「い、いえ……!大丈夫です、中原幹部!お気になさらず……!……というか、いろはは何故中原幹部と親し気なんだい?いくら幹部候補とはいえ……。」
「ソル、間違ってる。“元”幹部候補、ね。中也さんと仲いいのは……身分は違えど、友人だから、ですかね?」
ソルの言葉に、私が中也さんに問いかけると中也さんは私に向かって優しく笑って頷く。
「そうだな。いろはは友人……否、妹とか甥っ子みてェなモンだからな。」
「じゃあ、中也さん叔父さんですか?」
「そうなっちまうな……。」
「……それは厭ですね。だって数歳しか違わないなんて……。」
「そこなのか……?」
私達がいつものようにじゃれ始めると、ソルは羨ましそうにこちらを見つめているのだった。
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作者名:業猫 | 作成日時:2019年6月13日 11時