第31話「乱歩さん」夢主 ページ32
「ほ、本当に判らないとは……。」
「面倒臭いよね。私、乱歩さんの異能は尊敬してますけど乱歩さんのお供は嫌いです。」
「ちょっといろは。僕に対して、失礼じゃない?この国で一番の異能を持つ、この僕に!」
「…こういうとこが嫌いなの。」
自信満々にそう云った乱歩さんに顔を顰め乍ら私はそう云い、列車の席を敦くんの方へと移動して彼の肩から、そぉっと乱歩さんの顔を覗く。
すると……にっこりと笑って此方を見ているのだ。
……嗚呼、矢っ張りこの人、苦手である。
「あはは……。」
そんな私達に挟まれている敦くんは、苦笑しながら見つめていた。
「そういや、いつも警察のお手伝いを?」
「うん、依頼が有ればね。最高な異能も使わなきゃ、面白くないでしょ?」
「それに、結構な確率で付き合わされる私の気持ちを考えて欲しいなぁ……。」
「え?最高のご褒美じゃないの?」
「こ、こういう!とこがぁぁあ!」
「いろはちゃん、落ち着いて……。」
涙目でブンブンと指を振り回しながら、敦くんに訴える私。
敦くんは苦笑いしながら、何故か私をよしよししている。
……何故だ。
因みに乱歩さんはと云うと、いつもの通り……悪魔のような笑顔を浮かべていた。
「それより……あ、ほら、川が見えてきましたよ」
「おぉ、本当だ!綺麗だね。ね、敦、いろは!」
「……普段からこうだったら良いのに。」
「はは……。でも、国木田さん言ってたよ?『いつもなら太宰が行くとしても全力で拒否する』って。何で、今日は来ようと思ったの?」
それは……と、私は言葉を濁すが、敦くんはニコニコ笑ったまま言葉を待っている。
私は敦くんに弱いのか、ごにょごにょと小声で言い訳のような其れを口にする。
「それは……敦くんも、行くって言ってたから……。」
「……え?」
少し顔を赤くして、目を逸らしながらそう云った私に、敦くんはそれ以上に紅く顔を染めて、固まった、その時のことである。
「ねぇ、イチャつくのは良いけど着いたよ。」
「イチャついてないです!」
「あはは……本当ですね。」
敦くんは私に対乱歩さんの盾にされたまま、私達は列車を降りたのだった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
23人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
業猫(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます……修正しますので少々お待ちください;; (2020年6月4日 23時) (レス) id: 3f4322bc19 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 名字を設定しても、(名字)のままなんですけど.... (2020年6月4日 23時) (レス) id: 63ee3bf45b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:業猫 | 作成日時:2019年5月20日 18時