【文豪ストレイドッグス】もういちど。【中島敦】

第44話「対元部下戦(後編)」中島敦 ページ45

突然現れた、マフィアらしき女の人がいろはちゃんに向かって機関銃を構え、乱射する。
いろはちゃんが、死んでしまう。
そう思い……焦り慌てる僕とは対照的に、いろはちゃんは余裕そうにと笑っていた。
よく見れば、いろはちゃんの体と僕の周りに、何やら結界の様なものが張られている。

「……異能力、“女王の誇り(プライド)”。」
「いつまで、耐えられますか、暁いろはぁあ！」

その女の人は狂気に満ちた顔で、いろはちゃんに向かって叫ぶ。
……が。

「……!?んな……！な、何故、弾が止まって……!!」
「……私の異能は全てを反射させる。……其れは、例え弾丸の威力であっても。」

そこまで云うと、いろはちゃんは異能を変形させ、弾丸を女の人に向かって反射させる。

「……！！」
「私は、守るだけじゃない。」

女の人が、死を覚悟した様な顔をした、その時……＿＿

「な、なぜ……何故、私を助けたのですか？暁いろは……。」
「……私は、格下を殺す程醜くないの。……いい？あなたも成長しているようだけど、まだまだ甘い。もっと容赦なく奇襲するべきでしょう？それに何より……私だって成長しているんだもの。」

いろはちゃんが異能で、弾丸の威力を相殺したらしく……弾が、女の人の目の前でポトポトと落ちていった。

「……あの頃は、悪かったと思ってるの。……ごめんなさい。」
「暁いろは……さ……っ……！」

優しく謝ったいろはちゃんに、女の人は涙をぽろぽろと零している。
僕は……状況が上手く呑み込めないまま、その光景をただ……眺めていた。

第45話「お出かけ・参」夢主→←第43話「対元部下戦(前編)」夢主

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