怪しい、とても怪しい(ジンside) ページ14
怪しい。
僕はAさんに追い返されて駅まで歩きながら、そう思っていた。
一体Aさんの様子があんなにおかしかった理由はなんだったのだろうか。多分あの男が原因だとは思うが、それにしても、何であんなに冷たい態度を。
(・・・それに、Aさんは)
何故、あんなに怯えていた？
口では強気な態度をとっていたが、手は震えていたし、僕の手を握っているという事も忘れていた程だった。
(一体、彼とAさんの間になにが？)
見たところ、彼はAさんの事をよく知っている、といった感じだった。
そして、やたらとAさんにからもうとしていた。
(そして、Aさんは)
それを、全部はねのけた。
(・・・分からないな)
まったく何が二人の背景にあるのか、見当もつかない。
Aさんと彼のあの謎の態度、Aさんが怯えていた理由。
Aさんに聞くのが一番早いのだが、そのAさんは何も話そうとしない。
(それにしても、あのAさんが)
――――――ジンは関係ないでしょっ！
あんな風に大声を張り上げた所を、僕は初めて見た。
いつもポーカーフェイスでどんな時も冷静沈着なAさんが、あんなに感情的になるなんて。
(僕は、関係ない？)
確か、僕の記憶が正しければ、Aさんがそう言う前に、彼はこう言っていた。
―――また前みたいに、優しく―――
(前みたいに？優しく？)
という事は、昔、彼とAさんに何らかの関係があったのは確かだ。
そして、その次の「優しく」とは。
多分、第一印象としては、言っては悪いが、Aさんの事を「優しい」と答える人間はほとんどいないだろう。
そんな性格だったら、あの高額な報酬でなんでも屋などやっていないはずだ。
そしてそれらの事が、僕に関係ない、とは一体。
(人違い・・・な、わけはないだろうな)
人違いだったら、あんなに話す前に気づくはずだ。
僕は駅につくまでずっとそんな事を考えながら歩いていたが、何もそれを１つにまとめる結論は出てこなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 17人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
獅童アイ(プロフ) - ありがとうございます(^^) (2015年5月30日 1時) (
レス) id: a17d650aa8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 更新待ってました！ とても面白いです！ (2015年5月30日 0時) (レス) id: 6a421b55e4 (このIDを非表示/違反報告)
ミユキ - そういえば、ジンの機体はなんですか。 (2014年1月19日 2時) (レス) id: 279bbfc8f3 (このIDを非表示/違反報告)
ミユキ - というか、これ、更新してるんですか？ (2014年1月19日 2時) (レス) id: 279bbfc8f3 (このIDを非表示/違反報告)
ミユキ - 色は機体に合わせたかんじで、市販されてない一点品。形とかはおまかせで。よろしく (2014年1月19日 2時) (レス) id: 279bbfc8f3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：獅童アイ | 作成日時：2013年3月7日 19時
