night before dissolution ページ5
こうして850年、私たちは第104期訓練兵団を卒業した。
「やった！これで俺も憲兵団だ！」
「もう食べ物に困りませんね！」
「なんで俺がエレンの下なんだ、くそっ」
私は二番で、結局ミカサに負けてしまった。
まぁ格闘術はミカサやアニには負けっぱなしだったし、二番になれたのも手先が他の人より器用だったからだと思うし、むしろ喜ぶべきなんだろうけど。
「やるからには一番をとりたかったんだけどなぁ...ねぇアニ。アニはどの兵団にするの？」
アニはいつも通り無表情で、「憲兵団」と答えた。
「ふーん」
そっか...そうなのか。
「...ヨルは？」
「え、私？私は...」
と、そのときだった。
「勝てるわけない！」
辺りが水を打ったように静かになり、全員か声がした方向を向いた。
「トーマス...エレン？」
トーマスは続けた。
「お前だって知ってるよな。今まで何万人喰われたか。
人工の二割以上が死んで、答えは出たんだ。
人類は、巨人に勝てない」
全員の表情が暗くなる。
エレンのことだから、六番の成績で卒業したのに、調査兵団に入るんだろう。でも、トーマスのいう通り、現実は私たちが夢見るのを許すほど甘くない。
でも、エレンは違った。外の世界に行くのが、夢だと言った。
エレンの言葉に、根拠はない。でも、本当に私たちの代で、巨人を駆逐できる。そんな気がする。
エレンが出ていくと、ミカサとアルミンがあとを追った...と、思った。
でも、ミカサは野次馬の方に来ると、
「ヨル、来て」
「は？」
私の手首をつかみ、強引に連れていった。
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作者名：悠にゃん | 作成日時：2018年7月10日 20時
