おねぇちゃん -1- ページ8
運搬作業が終わり、掃除に移ったためユキは離れた所で1人待機になった。
木の根本に腰掛けて本を読んでいたユキに
「ねぇ、おねぇちゃん」
後ろから掛けられる幼い声。
振り向くとそこに居たのは明るい茶髪の幼い子供。
貴「…私？」
「おねぇちゃん字がよめるの？」
貴「え？……読める、けど…」
「じゃあさ、これよんでよ！」
表紙に可愛らしい絵が添えられた本を差し出す。
貴「(絵本…)」
「はやく！はやく！」
膝に乗ってくる子供。
目の前に本を広げ、控えめな声で読み聞かせをする。
「おねぇちゃん、この文字はなんてよむの？」
貴「これは…────」
不意に肩に重みを感じた。
「すげー！じゃあ、これは？」
貴「え」
振り向くとそこには膝に乗せた少女とは別の子供…少年が絵本を覗き込んでいた。
「あたしよめる！」
「うそだぁ。お前もよめねぇじゃん」
「よめるもん！えっと、そ……ら…
『そら』ってよむって、さっきおねぇちゃんが、おしえてくれたよ」
空を指して嬉しそうに胸を張る少女。
が、すぐに不安げな目をユキに向け
「あってる…？」
と確認する。
ユキが頷くと、子供たちはわっと沸いた。
「すげー！」
「いいなー」
「ねぇ、おれにも教えてよ！」
孤児院には貧しい生まれや地下街出身で文字の読めない子供は多い。
ユキの周りは少しずつ子供たちでいっぱいになっていく。
貴「ぁ…え…」
「ねぇねぇ、おねぇちゃん！つぎはこれよんで！」
「おねぇちゃんの目きれ〜い」
「何てなまえー？何さいー？」
貴「…えっと…」
「ねぇちゃん今日泊まってってよ〜」
「あそぼう！」
「ごはんいっしょに食べよ？」
子供たちは挙ってユキを取り合う。
いつも1番年下、妹だったユキにとって自分より幼い存在はほぼ初めて。
どうすればいいのか困惑していた。
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水無月碧音(プロフ) - ユキさん» ありがとうございます！夢主ちゃんと同じ名前でなんか親近感湧いちゃいます笑頑張ります！ (2019年7月3日 20時) (
レス) id: 9308ec7c9c (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - いつもほんっっっっとに楽しみに見てます！！！新しいの更新されたかな〜っていつも確認してます笑頑張ってください！！！ (2019年7月3日 16時) (レス) id: 7f1f267f6a (このIDを非表示/違反報告)
水無月碧音(プロフ) - meme_hysさん» 一気読み!?すんごい長かったと思います…！ありがとうございます！頑張ります (2019年6月29日 20時) (レス) id: 9308ec7c9c (このIDを非表示/違反報告)
meme_hys(プロフ) - 一気に全部読みました！続きとても気になります！更新楽しみに待っています^^ (2019年6月29日 16時) (レス) id: a66ef4a17b (このIDを非表示/違反報告)
水無月碧音(プロフ) - ナルさん» ありがとうございます(*^^*)頑張ります！ (2019年6月24日 21時) (レス) id: 9308ec7c9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水無月碧音 | 作成日時：2018年10月13日 16時
