死ねと言われれば -1- ページ18
貴「───私の“力”は…“王の力”と云われていたようで、彼女はとても重宝されていたようです」
ｴﾙｳﾞｨﾝ「彼女？」
貴「リディ・アライン。
2000年前にこの力持って生まれた、所謂 先代です」
ｴﾙｳﾞｨﾝ「……」
貴「…初めて彼女と会ったのは、ロッド・レイスを止めようとした時でした。
あの時本当に止まったのかは覚えていませんが…
意識が呑まれていく中で、“声”が聞こえました」
母親のように優しく、悪魔のように甘い、私をどこかへ誘う声。
貴「そこからは…余り覚えていません。
ただ、発動の条件は覚えています」
ｴﾙｳﾞｨﾝ「！ほう。聞かせてくれ」
貴「───……“感情を失う”
それが発動の条件だと、記憶の彼女と…ロッド・レイスが言いました」
ｴﾙｳﾞｨﾝ「……」
貴「…後は、分かりません」
ｴﾙｳﾞｨﾝ「そうか…」
団長は静かに頷いた。
貴「私の知らない間の出来事は、兄さ…兄や、エレンやミカサなら知っていると思います」
ｴﾙｳﾞｨﾝ「ああ。君の覚えていない2回は私も見ていた場面だ。考えるとしよう」
貴「(2回…？)
はい」
ｴﾙｳﾞｨﾝ「そこでだ、ユキ」
団長の真剣な目を向けられ、少し身体が強張る。
ｴﾙｳﾞｨﾝ「君はその力故にライナーやベルトルトから狙われている。
その強力かつ貴重な力は、恐らく通常の巨人の力を上回るのだろう」
貴「……」
ｴﾙｳﾞｨﾝ「“参加しない”、という選択肢もあるが───」
嫌だ。
貴「嫌です」
何がなんでも行く。
貴「行かせてください。戦います。足手まといにはなりません」
ｴﾙｳﾞｨﾝ「……それで、命を落とすとしても？」
貴「構いません。
2年前から、いつでも死ぬ覚悟はしてます」
ｴﾙｳﾞｨﾝ「……君は、死ねと言われれば死ぬのか？」
貴「はい」
きっとこれは、“いいえ”と答えるべきもの。
けれど
貴「命令なら、いつでも死にます」
私の心臓は、もうここには無いから。
10歳のあの日に捧げたまま。
ｴﾙｳﾞｨﾝ「……君はいつも、私の予想の斜め上を行く」
貴「！」
団長は
ｴﾙｳﾞｨﾝ「ユキ、君のその決意が少しでも報われることを願っているよ」
笑っていた。
私はその笑顔が何故か
とても儚く、淡いものに見えて仕方なかった。
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水無月碧音(プロフ) - ユキさん» ありがとうございます！夢主ちゃんと同じ名前でなんか親近感湧いちゃいます笑頑張ります！ (2019年7月3日 20時) (
レス) id: 9308ec7c9c (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - いつもほんっっっっとに楽しみに見てます！！！新しいの更新されたかな〜っていつも確認してます笑頑張ってください！！！ (2019年7月3日 16時) (レス) id: 7f1f267f6a (このIDを非表示/違反報告)
水無月碧音(プロフ) - meme_hysさん» 一気読み!?すんごい長かったと思います…！ありがとうございます！頑張ります (2019年6月29日 20時) (レス) id: 9308ec7c9c (このIDを非表示/違反報告)
meme_hys(プロフ) - 一気に全部読みました！続きとても気になります！更新楽しみに待っています^^ (2019年6月29日 16時) (レス) id: a66ef4a17b (このIDを非表示/違反報告)
水無月碧音(プロフ) - ナルさん» ありがとうございます(*^^*)頑張ります！ (2019年6月24日 21時) (レス) id: 9308ec7c9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水無月碧音 | 作成日時：2018年10月13日 16時
