君に翼のなかりせば(進撃の巨人/リヴァイ) (ページ2)

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君の名はページ2

航空自衛隊。

我が国の平和と安全の維持を促進するため

制空権を管轄としてうんぬん・・・。

そんな大層な思想を持っていたわけではない。

伝統だの古くせえ組織が好きなわけでもない。

ただ昔から弱いのが嫌いだった。

だから屈強さを求めた。

見下されるのが嫌いだった。

だから高さを求めた。

そして何となく参加した自衛隊の説明会が転機となった。

自衛官として説明会を取り仕切っていた大柄の男は

会場の隅にいた俺を見つけると何故か驚いた。

そして会が終わると無遠慮に俺のところにやってきた。

『君、私に見覚えはないか？名前は何と言う？』

『無い』

『は？』

『だから、見覚えはない』

えらく興奮していた男は少し落胆したが、それでも

『じゃあ名前を教えてくれないか？

私の名前はエルヴィンという』

そういって手を差し出してきた。

記憶している限り、初めての握手だった。