［ヒプマイ］悪徳警官のヒモ［男主］

2話 ページ2

俺には戸籍や国籍がない。
生まれた事になってないのだ。


だって俺は両親がイーコトしたあとの付属物だから。


ことなかれ主義の母親とサンドバックが欲しかった父親の意見が合致し、俺はほとんど家の外に出られずに、父親からの暴力に耐える日々が続いた。


こんな俺でも、これが怖いこと痛いことって事くらいわかった。


だから逃げた。父親からも母親からも。
中学生の頃だった。


だからといってその後行くあてもない。市役所とか……もしかしたら、俺みたいなのの相手もしてくれたのかもしれないが、俺にはそんな脳がなかった。


それでも、テレビなんかでよく見る水商売的なものなら出来ない事もなかった。


潰れかけの店なら、戸籍も国籍もないどこの誰ともわかんねぇクソガキでも働かせてくれた。


どの国でも若い身体好きの変態(ロリコン)は一定数いる。


女の客でも男の客でも笑顔振りまいてついでに腰振っときゃあ金は落としてったし、なんならお駄賃だとかご褒美だとかいって食べもんをくれたりもした。


こっちで生きてる方が俺には向いてた。


合法的に中学生やって学校通ってなんて俺には多分無理だから。


それにこの営業をしてる間に知らぬ間に犯罪者になってた。
麻薬とかそーゆーの。客にもらったモノを飲んだだけなんだけどな。


まあ、国籍もない人間に法律は適用されない。
俺に何しても誰も怒られないし、俺が何しても誰も怒れないって事。


俺にはその生き方が向いてる。

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