私の一番キライでスキな生き物【銀魂】 (ページ33)

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鬼が三十二匹ページ33

｢骸～｣

松陽の授業を受けている骸に話しかけるが

｢何｣

｢暇～｣

｢知らない｣

かなり素っ気なく返されてしまい、仕方なく私も松陽の授業を聞いていた

骸とは私達の牢番の女の子でよく松陽に勉強を教えて貰っている

そして…

｢何をしている
骸｣

この人は朧

そう松陽の一番弟子だ

｢また貴様の仕業か
松陽
これが貴様のやりたかった事か｣

｢天に抗い地に落とされ
こんな薄汚れた牢獄で死を待ちながら牢番相手に手習いを教えることが｣

文字を書いている松陽にそう問う朧

｢…私が抗ったのは
天ではない
自分です｣

｢奪うことしかしてこなかった手で何かを与えることができるんじゃないかとね
でも結局叶いませんでした
与えられたのは私の方でしたよ｣

松陽は本の表紙を見ながら話す

「人は生まれながらに弱さを抱えて生まれてくる生き物です
それは人格的な欠陥かもしれない
容姿であるかもしれない
生まれた境遇かもしれない」

「誰もがそれぞれ折り合いのつかない自分を抱え苦しんで生きている
残念ながらその苦しみから逃れる術はありません｣

｢ですが抗う事に苦しむ事もできる
自分の弱さに翻弄され苦しむだけではない
自分の弱さと向き合い抗い変わろうと苦しむこともできる｣

｢あの小さな侍達が教えてくれました｣

松陽のその言葉に銀時達の姿が思い浮かぶ

｢人は思ったより自由です｣