鬼が二十一匹 ページ22
そして次の日
「……なんだてめェ昨日の今日で性懲りもなく」
「もう一度俺と勝負しろ」
そしてまた
「オイいい加減にしやがれ
何回道場破りにくれば気が済むんだてめェはコノヤロー」
「俺が勝つまで」
あれから男の子は毎日と言って良いほどここに来ては道場破りをし続けた
その度に増える怪我に心配しながらも見守る日々が続いて、次第に男の子の方を応援する人まで出てくる
そんなある日
「一本!!」
審判の声が響く
勝ったのは…
わっ!
「!!」
高杉だ
「スゲェェェェ
ホントにあの銀時に勝っちゃった!!」
「今まで誰も勝ったことなかったのにスゲーよ!!」
「やったな!!
よく頑張ったよ
お前!!」
まるで同門が勝ったかのように喜ぶ皆
「なっ
なれなれしくすんじゃねェ!!
俺とお前らは同門か?!」
高杉が少し怒ったようにそういうと入り口から松陽が入ってきた
「アラそうだっんですか
てっきりウチに入ったと思ってました
だって誰より熱心に毎日稽古に…
いや道場破りに来てたから」
その松陽の言葉にドッと笑いが溢れる
と、次の瞬間銀時の声が道場に響く
「オイィィィィィィ
何アットホームな雰囲気に包まれてんだ!!」
「誰の応援してんだ
そいつ道場破り!!
道場破られてんの!!
俺の
笑ってる場合かァァ!!」
ビシッとこちらを指差し、そう怒る銀時
「少しは負けた味方をいたわる気持ちはねっ…(トン」
そっ
銀時の後ろにいた桂は銀時の肩に手を置き、おにぎりを差し出した
「もう敵も味方もないさ
さっみんなでおにぎり握ろう!」
「敵味方以前にお前誰よ!!
なんで得体のしれねェ奴が握ったおにぎりくわなきゃならねェんだ」
「誰が食って良いと言った
握るだけだ!!」
「何の儀式だ!!」
「あ、すいません
もう食べちゃいました」
「早っ!!」
「ふふっ、ははっあははっ」
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作者名:ヘアリー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HAK/
作成日時:2019年2月22日 21時