小さいお話（短編集）

心配しすぎ（潮江文次郎） ページ10

｢やぁA。｣

作法委員会の仕事帰りの仙蔵くんと会った。

｢あ、仙蔵くん、、こんにちは。｣

「嗚呼、こんにちは。それで？どうしたんだ浮かない顔して」

「あは、は、また悩んでしまいまして、、」

「またか！お前も不破も、、癖とは困るものだな」

流石の仙蔵くんでも困り顔。そうだよねぇ。よく不破くんとも相談しあってるんだけどやっぱり、中々本人達では解決できないんだよねぇ〜

「で？何を今度は悩んでるんだ？」

「実は···」






「また文次郎か？！」

仙蔵くんは悩みを聞くなり大声で驚いた。ちょっと声がおっきいんだけど！しっ！

「せ、仙蔵くんしーっ！」

「あ、あぁすまん、だかしかし、、お前は他人の事に悩みすぎだ。特に文次郎」

「ぐっ、、」

「この前はなんだ？？授業中お腹が空いてそう？！お前らは溺愛恋仲すぎだ！両方！」

「い、いや私の気にしすぎで！」

「文次郎もお前が今日髪型が整っていなくて悲しそうだったこと心配してたぞ」

「文次郎くん、、！！」

「胸が高鳴るところはそこではなーいっ！！」

今日の仙蔵くんは興奮気味だ、、！

「うーん、、うーんでも、、」
そういうと仙蔵くんはハアと溜息をつき

「文次郎はAからの握り飯と応援の言葉が疲れに1番聞くだろう、、 。礼は髪結い選びだ。」


「、、、！ありがとう！」


クールな笑みを見せると仙蔵くんはその場を去った。







「と、とゆうことだよ文次郎くん！」

もぐもぐと食べる姿は愛らしい

「なるほどなぁ！全く仙蔵のやつ、、！！美味い」

「良かったー、、これしか上手く作れらないからさ、でもこれからはもっと頑張ってつくるよ！」

だから文次郎くんも委員会頑張ってね！というと涙を流した。私が手ぬぐいを持っていたから良かったものの、、

「う、おおん！！！A疲れたぁ！！ギンギン！」

「中々こういうことできなくてごめんね。いつもお疲れ様！」

「Aのメシは食堂のおばちゃんのメシくらい美味いぞ！！ギンギン！」

「あははっ！！文次郎くんったらギンギン言い過ぎだよ！」

「お？そんなことはなぁーい！ギンギン！！」


くすくすと笑っていると文次郎くんは急な眠気に襲われた。ふらついて居たのでおいで、と膝枕してあげた





「う、ギンギン、、、｣

「ふふ、どんな場面でギンギンしてるのかなぁ」
私は幸せそうな文次郎くんの寝顔をじっと見ていた








「起きろぉ！！お前ら！！ギンギン！！！」

「せ、先輩ぃ、、、」

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