学校中が敵になった話【PART３】 ページ27
後日、先生にあだ名の事を聞いた。
たけし｢何故、僕が｢放射能｣って呼ばれてることを言わなかったんですか？｣
先生｢たけし君、親にいじめられてるのバレたくないと思って・・・｣
そう言われた。
俺は、いじめだと理解しているのにも関わらず黙認し、対策をとらない先生に、怒りというより、呆れに近い感情を覚えた。
教室に行くと、俺がボコボコにした三人が、俺の元に来た。
俺は、謝られるのかな？、と思ったが、それは違った。
男子の中の一人が、俺にこう言った。
男子｢ぜってー許さねーからな。｣
俺は、初めての喧嘩で相手をボコボコに出来たので、完全に調子に乗っていた。
たけし｢またボコボコにされたいの？w｣
笑いながらそう言った。
一瞬、男子の顔が強ばったが、
男子｢覚えとけ。｣
それだけ言って、自分の席に戻った。
帰り道、四人だったのが、一気に六人に増えた。
俺は、返り討ちにしたが、腕をコンパスで切りつけられた。
その傷は、一生消えない傷となった。
家族には、こけた、とだけ伝えておいた。
父は納得したが、母には心配された。兄貴にも、
兄貴｢何か有ったら言えよ。｣
そう言われた。
週末、俺は、近所の野球チームの見学にいった。
見学に行くと、クラスの男子の一人が居たのだ。
俺を見ると、ハッとした顔をし、他のチームメイトに何かを話しているようだった。
俺は、帰ろうかと思った。
そのクラスメイトは、五年生にして、レフトを守っているようだった。
そこで、俺は考えた。
そいつから、スタメンの座を奪ってやろうと。
早速、チームに入団し、希望ポジションを｢レフト｣と言った。
そいつはギョっとしていたが、知ったことかと思い、俺は、練習に参加した。
実は、四年生の時、市の選抜に選ばれた事がある。なので、ポジションを奪える自信が有った。
打撃、守備、走塁、全てにおいて、俺はそいつに負けることはなく、入団して三週間位で、そいつから、レフトを奪った。
そいつは八番レフトだったことに対して、俺は、二番レフトだった。
最初のスタメン発表の時、そいつが泣き出した。俺は正直、心の底からスカッとした。
〜続く〜
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