俺の大切な日常 (ページ6)

今日:8 hit、昨日:1 hit、合計:33,666 hit

綺麗にしてやるページ6

今日はコイン洗浄場に来ている。

降「よーし…洗ってやるからな……」

俺の足として信頼を置いている愛車のRX７を労わろうと思う。洗浄中にいろいろなことを思い出す。中でもAを助手席に乗せているとき、嬉しそうに笑う彼女の様子。

降「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

胸が苦しくて大きい溜息をひとつ。
幸せすぎる。彼女が帰国した時には、彼女の好きな
カレイの煮つけを作ろう。喜ぶ彼女の様子を思い浮かべると口元が緩くなる。愛車を洗い終わり、近くの自販機で水を飲む。綺麗になった愛車をみて俺も達成感に笑顔になる。

降「んっ！！！？」

綺麗になったはずの愛車に動物の足跡がある。

降「四本の指。爪跡がはっきり出ている…猫じゃない。犬…タヌキかも…。大きさは2ｃｍ弱。イタチの線もある…」

ガサッゴソッ

犯人の残した痕跡から犯人を推測していると近くから物音がした。

降「君か…僕の来るに足跡をつけたは。いたずらっ子だな…全く」

そこにいたのは、一匹の犬。
撫でてやると似たようなことがあったなぁ。

降「ん？君、もしかして、前に河原で会った」

犬「アンッ」

降「そういえば、車に…えーっと…あった。あった」

俺は車の中からここに来る前に買ったリンゴを出す。

降「食べるかい？」

子犬に聞けば、俺の周りを嬉しそうに走り回る。

降「ははっ。慌てないでリンゴの種はとっておこう…ほんの少しの毒性があるから」

俺は、リンゴを素手で割り、子犬が食べやすいようにする細かくする。

降「さぁ、召し上がれ」

細かくしたリンゴを差し出せば嬉しそうに食べる。
都内に野良犬がいるなんて珍しいと思っていると風見から電話がかかってきた。
要件を聞いて車に乗り込み、子犬に話しかける。

降「ごめん、もう行かなきゃ…。他の車に足跡をつけないようにね！」

俺はそういって風見のもとに向かった。
風見の方はとりあえず落ち着いたため、別件にあたるため、再度車に乗り込む。

トンッ。

トテテテテテテテッ

降「！！！！？」

一息ついていたら車に見覚えのある足跡と車の上を激しく走る音が聞こえたため車を降り、車の上を見上げるとそこには、昼にあった子犬がいた。

降「また君か！」

犬「アンッ」

降「どうやって……。そこに登っちゃダメじゃないか。さぁ、降りて…」

焦る俺をよそに子犬はあくびをして眠ってしまった。

降「参ったな…」

俺は頭を悩ませた。