危険な甘い香り(Syoya.Ruki)

24残り香 ページ24

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「…翔也くんは……そんな事…しない」




翔「……なに…言ってるの…」





今だって……こうやって……





「……火傷したとき……すぐに手当てしてくれたもん」




翔「…それは……」




「……制服だって………洗ってくれたんでしょ？」




翔「……っ」






どうして………できないんだよ………






翔「……………もう……帰って……」




「………」





傷つけたいのに………
どうして……それが出来ないんだよ………





「…翔也くん」





ゆっくり彼女が起き上がる
けど、目を合わせられなかった





「……お鍋も……パーカーも……ありがとう？」




翔「……………」




「……帰るね？」





彼女は立ち上がり
洗面所で制服に着替えると、ガチャンって……家を出て行った





静まり返ったこの家に残ったのは





彼女の甘い残り香






翔「…………おかしく……なっちゃったのかな…」





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