遠い出来事 (ページ10)

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スッキリした、自分が考えていた“偽善”が今、認められた錯覚に陥ったけど
手当り次第探って見つけたナイフで縄を切って××××を自由にした

「…殺しちゃったの？」
「うん、だって××××を苦しめたから
一緒に逃げよ？」

手を差し出す、まだこの時私は髪が長かったから黒い髪がその時頭を動かしたのでふわりと舞う
××××は私の手を取って立ち上がった

「…格好良かった…よ」
「そう？××××守れた？」

嬉してそう聞くと××××は笑って頷いてくれた
嬉しい、良かった、そう思っていた時だった
カチャリと音が鳴る、何か、それはすぐにわかった

目の前で、××××が自分自身に銃を向けてたから

「なんで、なんで？」
「…ごめんね、私、本当は今日ね、何も無かったように殺されるつもりだったんだ
もう……疲れたから、大人まで生きてられる気がしなかったから」

信じられないと思って手を伸ばすけど避けられる
笑いながら、××××は続けた

「ねぇ、シリウス
今までは私との約束を守るために生きてたと思うの
けど、これからはね、貴方の自由に生きて」
「なら、××××も一緒じゃないと……っ！！」

手を伸ばす、届きそうだったのに、駄目だった
××××が拳銃の引き金を引く方が早かった

××××の身体から鮮血が舞う＿私は声にならない悲鳴をあげた