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女子会 ページ12

彩矢side

夕食後、Aさんに呼ばれて相手の部屋に向かう
部屋には既にAさんがいて、何かメモをしていた
終わるまで待とう、そう思って襖を閉めようとした時だった

「あ、すみません、今片付けま……あ!?」

勢い良く振り返ったせいで肘がインクが入った瓶に当たり今迄メモをとっていた紙がみるみる黒くなっていく
慌てて中に入り持っていたハンカチで拭おうとすると「それは!?」と言ってとめられた

「本当…すみません…」
「いいえ、私が来るタイミングが悪かったんです」

いらない紙でインクを拭いているAさんに謝られ、慌てて否定する
するとクスクスと笑われた
不思議に思っていると、拭き終わったのか紙をまとめて捨てるために立ち上がったAさんがゴミ箱の方へ向かいながら口を開く

「最初、私達に夢を与える姫君と聞いて、身構えていたんですよ?
けど、こんな可愛らしいお嬢さんだとは思わなくて…つい…」
「…姫としての威厳がないとか、ですか?」

不安に思い問うと「そういうことではありません」と微笑まれる
私の前に座ったAさんは穏やかに微笑み「私とは違って、人に好かれているのだろうなと」と告げた

「私には器用さと姫としての自覚があります
けど、貴女には愛嬌がある…私にはそんなもの、ないのですから」
「…そんなこと、ないと思いますけど…」

クスクスと微笑む相手は、自分に愛嬌がないと卑下した
けど、私にはそんなことないと本心から思えた

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作者名:月夜 | 作成日時:2020年2月8日 20時

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