事務所訪問 ページ7
パラリとページをめくる音が、静かな部屋に
木霊する。
濁った水晶玉をはめ込んだような目は、絶えず
紙に印刷された活字を、片端から追っていた。
音沙汰のない空間に、突如として音を無理に
運び込んだものがあった。
乱「ねぇ、大下探偵事務所ってここ?いやあ、探偵事務所ってもっと広いと思ってたらそんなことないんだね」
入ってくる側から見て一番左端にあるデスクに腰掛けていた探偵は、それに返事をせず、ただ頬杖をついている。
とりあえずこの事務所がどのような構図になっているかを説明しよう。
アパートの一室で、入ってすぐに客が座る大きくはないが、テーブルと椅子がある。
そのさらに奥の左端に、Aのデスクが
ある。
わかる人には理解していただけると思うが、
丁度、金田一耕助が稲垣吾郎になっている
シリーズに出でくる金田一の探偵事務所の
ような感じであると思ってくださるとよい。
但し、もう少し整理整頓が行き届いている。
デスクの周辺には本が溢れんばかりに(実際のところ溢れているが)散乱し、その他の場所は至って綺麗な雰囲気である。
本を一部紹介すると…
《巷説百物語》、《雪女》、《鏡地獄》、
《姑獲鳥の夏》、《押し絵と旅する男》、
《悪魔の手毬唄》、《八つ墓村》、《むじな》
等々。
乱歩にとっては全くもって知らない書物ばかりであったが、それらの本は皆一様に、図書館の
バーコードと透明のカバーが掛けてあった。
乱「ふぅん、僕が知らない本ばっかりだけど、君、民俗学が好きなの?」
流石にこれ以上無視し続けるのは飽きたと
見えて、厭々ながら、目線は眼前の本に向け
て、彼女はやっとこさ答えてくれた。
『別に……幻想小説の方が好きです』
そうは云うものの、現在手にして読んでいる本というのは、《続巷説百物語》という、
おそらく机の周りにあった《巷説百物語》の
続編の本であり、彼女はそれを実に面妖な
表情で読んでいた。
そしてこの空気と彼ら(実は福沢も同伴して
いる)に耐えかねたのか、勢いよく本を閉じ、椅子から立ち上がった。
『で?あなたが何の用です?まさか依頼なんていうわけじゃないでしょう。何もないなら足早に帰って下さい』
乱「アッハッハ、つれないねぇ、もちろん用があってきたのさ。ね、君も探偵なんだろ?
なら僕と一緒に推理対決をしてみない?」
すると彼女は何か珍しいものでも見ているような顔になった。
『推理、対決?』
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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丸ノ内マルフォイ - 闇川幽鬼さん» おお!とても丁寧なご説明、ありがとうございます!もう絶対教えてくれる人とかいないだろとか思ってたんで、とてつもなく嬉しいです!これからも更新頑張っていきますので、何卒宜しくお願いします! (2019年9月5日 22時) (レス) id: f3401d0768 (このIDを非表示/違反報告)
闇川幽鬼 - 次に貼り方は貼りたい場所を長押しすると上に「ペースト」という文字が出ます。それを押してコピー完了・・・だと思います。・・・説明下手ですいません。分からない所があれば言って下さい。上手く説明出来るか分かりませんが頑張ります。 (2019年9月4日 23時) (レス) id: 56867ea8da (このIDを非表示/違反報告)
闇川幽鬼 - いつも楽しく見させて貰ってます。URLの貼り方は貼りたい文字を長押しすると青い枠?が出てきます。枠の青い丸を長押しスライドさせて貼りつけたいURLを選択します。上に「コピー」という文字が出ます。それを押してコピー完了! (2019年9月4日 23時) (レス) id: 56867ea8da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:丸ノ内マルフォイ | 作者ホームページ:http://subetenohazimari
作成日時:2019年8月14日 23時