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社の秘密 ページ49

聞こえていた。

途切れては再生する意識の中で、社に行けば全て終わると、誰かが云っていた。


ゆられる坂道の途中で、決心を固めた。

これ以上、彼に迷惑をかけるわけにはいかないと。


誰かに必要とされるのは、私にとってなによりも怖かった。


それは、嬉しいことだった。

自分は誰かのために、誰かを救うために生きていると、思えたから。

怖いのはその後だった。


いつか用済みになるんじゃないか、相手に飽きられるのはいつだろうかと、そう考えて、夜も眠れない。


用済みになって捨てられたあとは、何処へ行くのだろう。

ありもしない幻想でも追いかけて、どこかで朽ち果ててしまうんじゃないか。

間違いを犯して、そのあとも間違えてしまうのか。


一人で生きてきたのは、そのせいなのかもしれない。



いま最も恐れているのは、乱歩だった。



もしも彼が、自分を置き去りにするようなことがあったら?


自分を裏切るようなことがあったなら?


わかってる。


それが単なる、己のエゴであることなんて。


ただの我儘であることを。


知っているくせに、望まずにはいられない。


嗚呼、なんて愚かなんだろう。

さっさと、こちらから切ればいいものの、手を握らずにはいられないんだ。


離すわけにはいかないと思ってしまうのは、私が彼を大切と思っているからか?


それが一体、何になると云うのだろうか。

彼には私の意思など、伝わるはずがないのに。


そのために、一人で生きてきたのに。


いつか気づいてしまう。

彼は頭がいいから。


騙すような関係をこのまま続けていていいのだろうか、許されるだろうか。



許されるはずない、わかっているんだ。


彼に近づいたのは私なのに。





彼はなんと云うだろう。



私は、ある事件の真相を知るためだけに、彼と知り合ったなんていったら。



私の人生の歯車を奪った、あの事件を。


どうしても、知らなければ。









彼は、あの事件の、探偵役なんだから。

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丸ノ内マルフォイ - 闇川幽鬼さん» おお!とても丁寧なご説明、ありがとうございます!もう絶対教えてくれる人とかいないだろとか思ってたんで、とてつもなく嬉しいです!これからも更新頑張っていきますので、何卒宜しくお願いします! (2019年9月5日 22時) (レス) id: f3401d0768 (このIDを非表示/違反報告)
闇川幽鬼 - 次に貼り方は貼りたい場所を長押しすると上に「ペースト」という文字が出ます。それを押してコピー完了・・・だと思います。・・・説明下手ですいません。分からない所があれば言って下さい。上手く説明出来るか分かりませんが頑張ります。 (2019年9月4日 23時) (レス) id: 56867ea8da (このIDを非表示/違反報告)
闇川幽鬼 - いつも楽しく見させて貰ってます。URLの貼り方は貼りたい文字を長押しすると青い枠?が出てきます。枠の青い丸を長押しスライドさせて貼りつけたいURLを選択します。上に「コピー」という文字が出ます。それを押してコピー完了! (2019年9月4日 23時) (レス) id: 56867ea8da (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:丸ノ内マルフォイ | 作者ホームページ:http://subetenohazimari  
作成日時:2019年8月14日 23時

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