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【番外編 其の二】 探偵、街へ出る ページ30

賑わう中華街、華やかなショウウィンドウ___



Aはかつて、こんなにも幸せそうな場所に、来たことはなかった。


彼女がみるのは、いつもいつも、泣き崩れる
遺族、ピースがかけたような死体、そこから
溢れる救いようのない血液ばかりだったから。



新鮮といえばそのとうり、虚しいといえばそのとうりだった。



同じ横浜なのに、こんなにも陽陰がはっきり
しているのか_________




そう思うと、なんだか寂しくなった。


輝かしい景色に見惚れていると、つい目的を
忘れてしまいそうになる。



いけないと思い直して、また街を歩き出した。



彼は何が好きなのだろう。



これを買って、果たして彼は喜ぶだろうか。



素敵なのに違いはないが、こんな巨額は
出せない…




とうとう疲れて、ベンチにヘナヘナと座り込んでしまった。



「君…何してるの?」




Aが顔を上げると、そこには自分と同じくらいの男の子(?)が立っていた。


フワフワの蓬髪、頭と片目には痛々しい白の
包帯、見かけこそ同い年だが、中身は一人前の大人のようだった。


『はあ…あなたは?』



「何してるの」



Aの問いには答えてくれなかった。


『誕生日のお祝いに、何か買おうと思って来たのですが、一体何を買えば良いのか、
まるでわからなくて…』


青年はAをじぃっと見て、何も云わなくなった。


「んー?太宰君、何してるんだい?」



「ダザイ!どうしたの?」



いつの間にか現れた、白衣姿の男性と、十もいかないであろう幼女が、青年に話しかけて
きた。


「いや、この女の子が、誕生日祝いに何買えばいいか迷ってるのを見つけて、声をかけた」



「君いくつだい?」



『はあ、十二歳です』



「十二歳?そうかぁ十二歳かぁ!うんうん、
可愛いねぇ君!」


「リンタロウ気持ち悪い!」


「えぇ…」


白衣の男は、金髪の幼女の鋭いツッコミに、
困った顔をした。


白衣の男は、リンタロウという名前なのか。



「ところで君。誕生日プレゼントを買うのは
初めてかい?」


『はあ、初めてです』


白衣の男がにこやかに笑う。


いつの間にか、金髪の幼女の方も、ニッコリ
笑っていた。


「リンタロウ丁度いいわ!あたしこの子が
気に入ったわ!一緒にお買い物しましょ!」


幼女が甲高く響く声で云う。

白衣の男はさも嬉しそうに、

「私もそう思っていたところだよ!」

と云った。

Aはただ、ぼーぜんとその様子を見ているのだった。

【番外編 其の三】 人が喜ぶ贈り物?→←【番外編 其の一】 廻り合わせ


  • 金 運: ★☆☆☆☆
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丸ノ内マルフォイ - 闇川幽鬼さん» おお!とても丁寧なご説明、ありがとうございます!もう絶対教えてくれる人とかいないだろとか思ってたんで、とてつもなく嬉しいです!これからも更新頑張っていきますので、何卒宜しくお願いします! (2019年9月5日 22時) (レス) id: f3401d0768 (このIDを非表示/違反報告)
闇川幽鬼 - 次に貼り方は貼りたい場所を長押しすると上に「ペースト」という文字が出ます。それを押してコピー完了・・・だと思います。・・・説明下手ですいません。分からない所があれば言って下さい。上手く説明出来るか分かりませんが頑張ります。 (2019年9月4日 23時) (レス) id: 56867ea8da (このIDを非表示/違反報告)
闇川幽鬼 - いつも楽しく見させて貰ってます。URLの貼り方は貼りたい文字を長押しすると青い枠?が出てきます。枠の青い丸を長押しスライドさせて貼りつけたいURLを選択します。上に「コピー」という文字が出ます。それを押してコピー完了! (2019年9月4日 23時) (レス) id: 56867ea8da (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:丸ノ内マルフォイ | 作者ホームページ:http://subetenohazimari  
作成日時:2019年8月14日 23時

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