誘惑したリップグロス(納棺師)(甘) ページ5
「ヘタクソ」
開口一番、なんとまぁ酷いことを言うものだ。
じっとりした目で"そんな事も出来ないのか"とでも言いたげなその表情はマスクの下からでも読み取れた。
「私普段そんなにガッツリ メイクする人じゃないの」
「僕の方が絶対化粧上手いよ」
「そりゃ何時もしてるもんね」
「その言い方辞めてくれよ、誤解を招く」
確かにこの言い方だと、イソップが趣味でメイクしてるみたいだ。男なのに。
あ、待てよ それはそれで面白いかも。
心の中でぶつくさ言ってる私の様子を察したのか、「くだらない事考えてるんじゃないだろうね?」と一言。
否定も肯定もしない私に溜息をつき、彼は隣に座るよう促してきた。
「化粧、してあげるからこっちにおいで」
「珍しい事もあるもんだね、イソップあまり人に近付かれるの好きじゃないのに」
「君のヘタクソな化粧を見るよりかはマシさ」
なんの躊躇もなく毒づいてくる彼は、相変わらずじっとりとした目で此方を見つめていた。
折角のお誘いだ。お言葉に甘えようじゃないかとイソップの隣に腰を下ろす。
「顔こっち向けて、グロス塗ってあげるよ」
「えっいいよ。グロスくらい自分で塗れるし」
「いいさ、塗るよ」
此方に向かってくる手にはリップグロスが握られていて、慣れた手つきで仕上げられた私の唇を見て彼は満足そうに笑っていた。
塗り残しが無いかと称して指で顎を持ち上げられ至近距離でまじまじと見つめられ、次の彼の一言で私の心臓の鼓動は一気に跳ね上がったのだ。
「ほら、綺麗じゃないか」
誘惑したリップグロス
(このままマスクをずらして、食らいついてしまおうか……?)
薔薇に呑まれる(リッパー)(甘)(バレンタインネタ)→←参った、と言ってばかりいる気がする(写真家)(甘)
314人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
刹那 - 面白かったです!もし宜しかったら曲芸師のを読んでみたいです!よろしくお願いします (2019年9月21日 3時) (レス) id: 546156cbf5 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - リクエスト失礼します…!宜しければオフェンス君のが読みたいです…>< (2019年9月14日 15時) (レス) id: a15a9a8ce2 (このIDを非表示/違反報告)
ニラ - はじめまして!いつも楽しみに見させてもらっています!リクエストでイライとノートンの劇甘を見てみたいです...! (2019年8月29日 23時) (レス) id: 1e970fa705 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - ほわいとさん» 読んで下さりありがとうございます!ロビー君に対しての個人的な願望を文字に起こしたものですが、キュンときていただけたようで良かったです!こちらこそありがとうございます! (2019年8月25日 1時) (レス) id: ec6a05673d (このIDを非表示/違反報告)
ほわいと - 新作読みました…!かわいすぎてもうニヤけが止まらなかったです!子供らしくもありつつ男らしくもあるロビーくんにキュンときました笑ありがとうございました! (2019年8月25日 1時) (レス) id: 2392930ced (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あき | 作成日時:2019年2月12日 23時