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「Aに、何を」



意識を失ったAに、ざわめく寮生達。そんな彼らを、ルシアは鼻で笑い飛ばした。



「コイツは今疲れてるんだよ。寝かせてやらなきゃ可哀想だろ?」



「ハッ、何を。己の力を見られたくないだけでしょう」



嘲笑混じりにリドルが放った言葉に、ルシアはスッと真顔になる。



「どうだかな。まぁとりあえず、俺がここでお前らを止めなきゃ、コイツは夜も眠れやしないだろうから。俺の静かな夜が、お前らにぶち壊されちゃたまんないんだよ」



「_____ッオフウィズユアヘッド!」



言い募るルシアに恐怖するように、リドルがユニーク魔法を仕掛ける。だがルシアの首回りを渦巻いた光は、溶けるように消えてしまった。



「ハハッ、おいおいローズハート、忘れたのかよ。俺の力をさ_____お前は嫌ってほど、知ってんだろうが」



「_____ッ」



リドルが黙り込むと、ルシアの力を知らない寮生達がざわめく。



「はぁ!?何アレどーゆーこと!?」



「何をしたんだ……?」



「いや、それよりも、なんでルシアがAを守るんだ……?」



それらを唇だけで嘲笑って、ルシアは目をすがめる。



「_____あのさぁ、俺は、普段人と喋らないんだ」



突如始まった自分語りに、寮生達は怪訝な目をむける。



「何故か。まあ俺の活動時間もあるけど、第一に面白くないからだよ。みんな同じ制服着て、同じ授業受けて、同じことを頭に詰め込んでいく。みんな同じ反応、同じ答え、同じものばかり」



視線を落として、彼は過去を脳裏に描く。



「つまらないんだよ。みんなそうだ。だから話さない。無駄だから。諦めていた。_____だが、見てみろよコイツを。異世界から来たとか抜かしやがる。あぁ、そこにもいたっけな。だが違う。俺の異世界人は、俺が最初に出会ったコイツだけ」



サラリと片手でその髪を撫でて、ルシアは唇を綻ばせる。



「Aは、俺の興味を引いた。それだけで称賛に値する。なら俺もそれに応えてやるのが礼儀だろ?俺がAを守る理由は、それだけで十分だ」



「Aは、僕が守る!」



叫んだリドルに、ルシアは冷たい目を向ける。



「コイツを泣かせておいて?_____よく回る口じゃんローズハート。お前じゃコイツは守れない」



リドルが泣きそうに顔を歪ませる。リドルから目を移し、ルシアは静かに言葉を紡ぐ。



「さぁ、そろそろ終わりにしようぜ。


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_____見よ、者共、物語は終焉だ。


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本を閉じろ(エンドオブストーリー)

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みかん(プロフ) - ルシア君マジテ好きぃ…。天才ですか!? (2022年12月18日 23時) (レス) id: 35aefc2ecc (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - マジ、ルシア君殺さないでぇ……。まだ、続き見てないけど…。まだ、先見てないのに号泣すぎてやばい。。 (2020年10月25日 22時) (レス) id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
アホの化身 - 君が泣くなら私も泣く、ってどうゆう脅しよ。 (2020年10月18日 15時) (レス) id: 62410cc231 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2020年10月16日 17時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
Airu(プロフ) - 53話マジックペンではなくマジカルペンでは? (2020年10月14日 11時) (レス) id: a37b93bc71 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白桜 | 作成日時:2020年9月3日 21時

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