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某死神くんは梓さんにオレンジジュースを頼むと、にっこりと俺を見上げた。
「僕、江戸川コナン!よろしくね!」
小学生に名乗らせて自分の名前を言わないほど腐ってないので、もう諦めて口を開く。
『水景Aだよ。』
「Aお兄さんかぁ。Aお兄さんって目グレーだし、ハーフなの?」
『いや、両親共バリバリの日本人さ。俺は色素が薄くてね。』
コナンのことだから、興味本意で赤の他人に声をかける訳がない。まさか目グレーだね〜が本題じゃないだろう。
「ふ〜ん。ね、Aお兄さんって警察の人なの?」
ほらきた。
『いや違うよ、どうしてそう思ったの?』
「ん〜、なんか動きに隙がないなーって思って。僕警察の人と仲良しだから、そういうの分かっちゃうんだ!」
どんな小学1年生だよ。
『そうかぁ、なかなかない特技だね。』
俺が本音を隠しながらそう相槌を打ったところで、安室さんがナポリタンとオレンジジュースを持ってカウンターの奥から出てきた。
「お待たせしました。ほら、コナン君。」
「ありがとー!」
ナポリタンを俺の前に置き、コナン君が笑顔でオレンジジュースを受け取る。
……が、安室さんはなぜかそのまま俺の前に立ち続ける。
『……。何ですか?』
「いえ、昼時も過ぎましたので、少しお話ししたいなと。よろしいですか?」
まぁ俺的には、キャラと話すのは大歓迎なんだけど。いかんせん2人から漏れ出る警戒心がなぁ……。
俺そんなに怪しい?
『まぁ、構いませんけど……。』
俺がフォークとスプーンを持ちつつそう答えると、安室さんは「ありがとうございます。」と言ってカウンターの中にある椅子に座った。
「ナポリタン、お好きなんですか?」
『まぁ、大好物というわけでもないですけど、それなりに。』
「今度は是非僕のサンドイッチも食べに来てください。サービスするので。」
安室さんのそんな言葉に、ナポリタンを1口食べた俺は思わず頷いてしまった。
何これ超美味い。
ナポリタンがこの美味さなら、オススメだというサンドイッチはどれだけ美味いのか。やばい胃袋掴まれたかもしれん。
俺が黙々とナポリタンを頬張っていると、安室さんがクスリと笑みを漏らした。
「気に入っていただけて良かったです。」
俺もつられて笑い返した瞬間、コナンがいかにも今思いつきましたよーみたいな顔で口を開いた。
「ねぇ、Aお兄さんって、どんなお仕事してるの?」
来たか腹の探り合い。
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あごしわ - 常に周囲を警戒(サバゲー狂特有) 一ミリも隙がない(サバゲー狂特有) 強烈な殺気(サバゲー狂特有) (2020年1月3日 5時) (レス) id: d41c4bfd58 (このIDを非表示/違反報告)
NIL(プロフ) - 白桜さん» 続編移行、初めての時はよく分からないですよね。とても面白いと感じる作品なので、これからも頑張って下さい (2019年7月8日 0時) (レス) id: 6ea316f6e9 (このIDを非表示/違反報告)
白桜(プロフ) - 続編登録いたしました、申し訳ありません。やり方がよく分からず……。拙い作品を読んでくださりありがとうございます。機械には若干相入れなさを感じます……。 (2019年7月8日 0時) (レス) id: 33d5312230 (このIDを非表示/違反報告)
NIL(プロフ) - 続編が登録されていないのか、2に移動できません。いつも楽しませてもらってます。更新頑張って下さい (2019年7月7日 23時) (レス) id: 6ea316f6e9 (このIDを非表示/違反報告)
山姥拓海(プロフ) - 早く続きが見たいですね!更新頑張ってください (2019年7月6日 21時) (レス) id: e2c2af4155 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白桜 | 作成日時:2019年5月21日 19時