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『ん〜仕事かぁ……。』
ぶっちゃけ無職だけど、いい歳した大人が無職って。
そんなこと俺年下の子供に言えない。
『……秘密。』
「えぇ〜!何で?僕お兄さんのお仕事聞きたい〜!」
おううるせぇなジタバタすんな小学生。
「僕も聞きたいです。是非教えてください。」
おっと前からも加勢が入るー!水景選手ピンチ!
『いえ、あんま誇れるようなことではないので。』
「どうしても教えてくれませんか……?」
そんなウルウルな目は俺には効きませんよー。
『すみません。ちょっと色々複雑でして。』
「そうですか…。そこまで仰るのであれば、深追いはしません。」
俺が頑なに断ると、渋々ながらも安室さんは諦めてくれた。
水景選手鉄壁のガードは最強のようですね〜。
流石俺。
「えぇ〜!?安室さん、僕聞きたいよ〜!!」
だが空気の読めないガキが約1名。
しつこいなぁこいつ。
俺苦手なんだよなぁこういうグイグイくるタイプ。
しかも子供だということを利用して騒いでいれば、絶対相手は折れてくれるだろうという打算付き。
……おいおい、俺はそんなにチョロくないぜ?
聞きたい聞きたい〜!!と駄々をこねまくる確信犯に、流石にちょっとイラッとする。
『……少し、黙ろうかコナン君。』
少し怒りを滲ませて静かにそう告げれば、コナン君と安室さんは氷のようにピシリと固まった。
俺はお手拭きで自分の手を拭いながら、2人に目もくれず淡々と言い放つ。
『ここはお店だよ。人のプライバシーを探ろうとする前に、周りを見ようか。そんなに騒いだら、ほかのお客さんに迷惑だろう?』
言いながら、チラリと隣のコナンを横目で見る。
コナンと安室さんは2人して顔を強張らせ、強い警戒心の宿った瞳でじっと俺を見つめていた。
『…では、俺はそろそろ行きます。』
流石に少し気まずくなって腰を浮かすと、固まっていた安室さんが慌てて立ち上がった。
「僕が無理矢理誘ったので、お会計は結構ですよ。」
『いやいや、それはダメです。』
「いいですから。今度サンドイッチを食べに来てくださったら、それでいいんです。」
まーじかー。この人太っ腹だなぁ…。
驚くくらい気前のいいこの人に感謝しながらも、またこの店に来る約束を交わす。
『では、また今度。』
「はい、待ってます。」
にこやかに手を振る安室さんに軽くお辞儀をして、俺はようやく帰路を辿った。
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あごしわ - 常に周囲を警戒(サバゲー狂特有) 一ミリも隙がない(サバゲー狂特有) 強烈な殺気(サバゲー狂特有) (2020年1月3日 5時) (レス) id: d41c4bfd58 (このIDを非表示/違反報告)
NIL(プロフ) - 白桜さん» 続編移行、初めての時はよく分からないですよね。とても面白いと感じる作品なので、これからも頑張って下さい (2019年7月8日 0時) (レス) id: 6ea316f6e9 (このIDを非表示/違反報告)
白桜(プロフ) - 続編登録いたしました、申し訳ありません。やり方がよく分からず……。拙い作品を読んでくださりありがとうございます。機械には若干相入れなさを感じます……。 (2019年7月8日 0時) (レス) id: 33d5312230 (このIDを非表示/違反報告)
NIL(プロフ) - 続編が登録されていないのか、2に移動できません。いつも楽しませてもらってます。更新頑張って下さい (2019年7月7日 23時) (レス) id: 6ea316f6e9 (このIDを非表示/違反報告)
山姥拓海(プロフ) - 早く続きが見たいですね!更新頑張ってください (2019年7月6日 21時) (レス) id: e2c2af4155 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白桜 | 作成日時:2019年5月21日 19時