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12 コナンSiDE ページ13

ツー、と背中に冷や汗が流れる。


心臓がどくどくと高鳴って止まらない。


……まさか、こんな奴に会えるなんてな。


俺は静かに深呼吸をして、暇を持て余している男にそっと近づき、その袖を引いた。


「……ねぇ、お兄さん綺麗な目してるね。」


男は一瞬驚いたような目で俺を見たが、すぐに笑って言った。


「あぁ、ありがとう坊や。」


その柔らかな笑顔と重い気配のアンバランスさが、余計に俺の警戒心を掻き立てる。


「僕、江戸川コナン!よろしくね!」


俺がにこやかに名乗ると、その男は諦めたように笑った。


『水景Aだよ。』




それからは内心の緊張と警戒を隠しながら、俺は水景Aと話を続けた。


水景Aは俺の質問を軽くいなしながら、目の前に置かれたナポリタンに目を輝かせる。


眼前の警戒心マックスの安室さんのプレッシャーの中、黙々と食っていられるなんてやっぱり只者じゃない。


俺は話に踏み込む機会を伺いながら、隣に座る水景Aをそっと観察した。


ナポリタンを安室さんと談笑しながら美味しそうに食べる若い男。


歳はおそらく二十代前半、背は高く目測で180半ば。


特に目立つ特徴はないがその気配はジンとまるで似ている。


ーーー要警戒対象。






……お、ようやく会話が途切れた。


俺はこの隙を逃すまいと素早く口を開く。


「ねぇ、Aお兄さんって、どんなお仕事してるの?」


すると、今までポンポンと答えていた水景Aが一瞬言葉に窮し、静かに告げた。




『……秘密。』




ーーー絶対なんかある。




俺は安室さんに目配せすると、子供のようにジタバタと足を振り回した。


安室さんも聞き出すのを手伝ってくれたが、あまりに頑固な男に諦めている。


それでも俺は聞きたくて、我儘な子どものようになおも喚き続けていたら、ふっと空気が変わった。




『……少し、黙ろうかコナン君。』



ひしひしと伝わる怒りの気配。
それは刃のように冷たく、鋭い。


『ここはお店だよ。人のプライバシーを探ろうとする前に、周りを見ようか。そんなに騒いじゃ他のお客さんに迷惑だろう?』


その威圧感に、思わず息さえ止まる。






ーーーゴクリと、喉が音を立てた。

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あごしわ - 常に周囲を警戒(サバゲー狂特有) 一ミリも隙がない(サバゲー狂特有) 強烈な殺気(サバゲー狂特有) (2020年1月3日 5時) (レス) id: d41c4bfd58 (このIDを非表示/違反報告)
NIL(プロフ) - 白桜さん» 続編移行、初めての時はよく分からないですよね。とても面白いと感じる作品なので、これからも頑張って下さい (2019年7月8日 0時) (レス) id: 6ea316f6e9 (このIDを非表示/違反報告)
白桜(プロフ) - 続編登録いたしました、申し訳ありません。やり方がよく分からず……。拙い作品を読んでくださりありがとうございます。機械には若干相入れなさを感じます……。 (2019年7月8日 0時) (レス) id: 33d5312230 (このIDを非表示/違反報告)
NIL(プロフ) - 続編が登録されていないのか、2に移動できません。いつも楽しませてもらってます。更新頑張って下さい (2019年7月7日 23時) (レス) id: 6ea316f6e9 (このIDを非表示/違反報告)
山姥拓海(プロフ) - 早く続きが見たいですね!更新頑張ってください (2019年7月6日 21時) (レス) id: e2c2af4155 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白桜 | 作成日時:2019年5月21日 19時

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