リセマラ続けて700回。やっと確率0.001の異能を手にしました。

第5話 お出かけと出会い ページ9

「ようしA〜今日はお出かけしようか！」

『なんで？』



どうした父よ。

因みに”お出かけ”と言われて素直に喜べない理由は、一昨日の出来事にある。


皆様は、黒塗りの高級車から、お偉いさんが出てきたら緊張するよね。

何故行成黒塗りの高級車かというと、まあ、うちは家に来た時分かったが、世間一般でいう金持ちだ。


当然、それっぽい人とも会うことになる。



『どーせまたあの人たちに会うんでしょ？』

「ま、まあA。森さんは良い人だぞ？ 昔、お父さんの怪我を治してくれたんだ」



いやいや、あの人医者だったのか？
『治して貰った』はまあそう言う意味だ。

でも、一昨日の風貌からはそんな事……あ。


ーーー




「おや、Aちゃん親指を怪我してるじゃないか」

『あ……紙で切ったのかな』


そういえばあの時、絆創膏を貼って貰ったんだ。



「おじさんが、このうさぎさんを貼ってあげよう」

『うわあっ！ うさぎさんだあ、可愛い！！』


……無駄に可愛い。

どうも大人というものは、幼女にはピンクという謎の概念を持っているらしい。


やめてくれ、私は立派に大人なんだ。

あ、そういえば演技が上手くなった気がする。家の両親の勘が鋭いせいとも言えるが。


『おじちゃん！ ありがとう』



ーーー

完璧に思い出した。

そういえば何故かポケットに絆創膏が入っていたりと、医者……っぽいのが多かったかもしれない。



『あのおじちゃんは好きだよ』

「森さんのこと？ あの人は良い人よ。お母さんもお怪我を治して貰ったことがあるの」

「じゃあ、今回は家族みんなで行こうか」



嫌々、納得すなし。

別に私は、森さんが好きというだけで言って良いとは一言も____



「A、帰りにパフェでも食べに行こっか！」

『さあ、行こうー！！』


「我が子ながら素晴らしい変わり身の早さだな」



ガトーショコラにするか、
それともショートケーキか……

おおお、今から楽しみだ！



と言うか、こうして思えば私は大分両親に似てる。

髪質とか色とかは当たり前として、なんだか性格が……


まあ、子は親に似ると言うし、別に良いだろう。





「春色の桜ドレスだ！ 今日こそは俺が勝つ！」

「いーえ、今日のAにはプリン風甘々ドレスが似合うに決まってるわ！」


『(……親バカにだけは成らない様にしよう)』




ていうか、”ドレス”は決定事項なのね。
良い加減離れろ？？

現在____A、四歳。

第6話 森 鴎外さんとは→←第4話 ドレスなんて着ない

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