俺の妹は心配、性......？ (ページ12)

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62話ページ12

｢本当に大丈夫？｣

司｢このくらいなんともねぇよ
なんならそれも持ってやろうか？｣

司君は両手に袋を提げているのに私は箱ティッシュ一つだけ
ただでさえ申し訳ないのにそんなことさせれるはずもない

｢このぐらい持てるから！｣

ムキになって言い返すと悪戯っぽく笑いだした
鬼邪地区に住んでいる2人が山王の商店街で買い物をするなんて何だか不思議な気分だ

司｢いい所だな｣

｢うん、私の大好きな場所｣

司｢そうか
....なぁ、さっきから気になってたんだけどよ
あいつら誰？｣

後ろをチラリと見ればヒカルさんとケンさんがスマホを構えていた
尾行どころか盗撮までしてるし

｢えっと、あの人達も実は｣

ガシャン

2人のことを説明しようとした時
近くで何かが崩れる音が聞こえてきた

｢おい、てめぇさっきから睨んでたろ？｣

｢いや、そんな事は｣

｢イチャモンつけてきてんじゃねぇよクソジジイ！｣

怒鳴り声の後に再び大きな音
声がする方に向かえば

｢おじさん！｣

いつも親切にしてくれている酒屋のおじさんが胸倉を掴まれていた
山王で暴れたらどうなるか分からないってことは他所の人だろうけど見過ごせるわけもない

｢ヤマトさんに電話しないと｣

司｢ちょっと行ってくるわ｣

｢司君？｣

司｢イトカンから来るの待ってたらあのおっちゃんやられそうだし
今連絡したら楓士雄や中越達もついてきて面倒なことになる
とりあえずお前はここで待ってろ｣

｢待って！守ってくれるのは嬉しいけど司君は｣

｢そーそー、ここは山王出身の俺らに任せとけって｣

｢助太刀もいらねぇからな？
Aのこと頼んだぞ｣

司｢あんたらさっきの....｣

｢ケンさん！ヒカルさん！｣

司君の肩を叩いて男の人へと近づいていった
話しかけると逆上したのか2人へと拳を振り下ろす

ドカッ、バキッ

｢がっ、｣

ヒ｢ここは山王連合会の縄張りだ
街の人間に手出すやつは許さねぇ｣

ケ｢二度と来んじゃねぇぞ｣

2人に1発ずつやられた男の人はよろよろと立ち上がって逃げていった

ヒ｢おっちゃん怪我は？｣

｢だ、大丈夫だ
ありがとう｣

ケ｢にしてもひでぇ事すんな
店の前めちゃくちゃじゃん
俺ら手伝うからさ、ぱぱっと片付けようぜ｣

ヒ｢だな｣

お店の前に転がった空き瓶やダンボールを拾い集めてあっという間に元通りに戻った
やっぱりこの2人も山王連合会にかかせない存在だ