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鈴木伸之side
壱「本当ですね
仕事帰りなんか、な」
信号を待っているAちゃんが背後から走ってきた男に声をかけられていた
どうやら何かを落として拾ってもらったらしい
それだけにしては話も長いし、Aちゃんの顔が困ったようにも見える
伸「なぁ壱馬
あれってちょっとまずいんじゃ、ってあれ?」
隣にいたはずの壱馬の姿が消えていて、いつの間にか青になった信号を走っていた
俺も慌てて後を追いかけると
壱「Aさん」
「あれ?壱馬君
どうしたの?」
壱「Aさんがいるの見かけて走ってきちゃいました笑
今帰りですか?この人は?」
「え?あ、ちょっと道端で落としたものを拾ってくれたの
ありがとうございました」
「いや、じゃあ俺はこれで」
彼氏だと思い込んだのか、はたまた壱馬のただならない雰囲気を察したのかは分からないけど男はそそくさと逃げていった
壱「Aさんあの人に変なこと言われませんでした?」
「まぁ、急に連絡先聞かれて驚いたけど」
壱「やっぱり....
ホンマにもう少し危機感持ってくださいよ?
じゃないと」
「じゃないと?」
壱「山彰さんにチクリますからね?笑」
「え゛....」
山彰に怒られるのがよっぽど嫌なのか眉間に皺を寄せて顔を引き攣らせていた
伸「Aちゃんって山彰のこと怖いの?笑」
「え!?伸さん!?」
伸「気づいてなかったんかい!笑」
壱「伸さんと2人でご飯行ってたんですよ
んで、タクシー待ってたらAさんのこと見かけて声掛けたんです」
「そうだったんだ
正直困ってたから助かったよ
ありがとね
伸さんもお久しぶりです
劇団の皆さんも元気ですか?」
伸「全員相変わらずだよ
そういえば瑛君がランペのマネちゃんによろしくだって
そんなに仲良くなったの?」
「うぇ!?あ、いや、別にそんなんじゃ」
....ははーん、もしや
伸「Aちゃんってもしかして瑛君のこと好きだったり」
壱「Aさんは鳳仙の小田島が好きなんですよ
だから撮影の時に少し交流があって、ね?」
俺の話を遮った挙句、小田島を強調する辺り壱馬もなんだかんだわかりやすいなぁ
山彰や慎のこと言えないくらいAちゃんのこと大好きじゃん笑
伸「いやぁ、Aちゃんも人たらしだねぇ笑」
「なんでですか!?」
教えたら面白いんだろうけど、色んな人達から怒られそうだから黙っていよう
その日の夜、壱馬と3人で撮った写真を劇団のグループLINEに送ると全員から猛攻撃をくらったのだった
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作者名:あすか | 作成日時:2022年11月28日 22時