俺達のマネージャー 2

過去 〜真実〜 ページ34

大切にしていた2人との写真



こんな奴の前で泣きたくなんかなくて歯を食いしばった

｢何その顔？叫んだり泣いたりすれば？｣

｢っ、あんたなんかにされた嫌がらせで私が泣くと思ってんの？
お生憎様、このぐらいなんともないから｣

負けじと挑発するように笑えばそれが癪に触ったのか、笑みが消えて眉を釣り上げた

｢あっそ、じゃあ二度とそんなこと言えなくしてあげる｣

｢ね、ねぇやめようよ｣

｢誰か呼ぼう....！｣

2人が出ていったのを気にもせず、ポケットからカッターを取り出して私に近づいてくる
逃げたくても腹部の痛みと恐怖で体が動かない



あぁ、もうダメかも


振り下ろされるカッターを見て、失明だけでも防ごうと目を瞑り腕で塞ぐ


その痛みはやってこなかった


数｢いつからここは不良の溜まり場になったんやろな？｣


龍友さんの手によって


｢な、なんで数原さんが....｣

｢龍友、さ、｣

数｢女の子達にAが危ないって言われて駆けつけたんや
何があったかは後で聞く、とりあえず先生のとこ行くぞ
お前の顔覚えたからな？俺の可愛い後輩傷つけたんや
タダで済むと思うなよ？｣

私を抱きかかえて彼女を睨むと先生の所まで連れていかれた
先生に事情を話すと、とりあえずその子にも話を聞くからと待機させられた

｢なんで、龍友さんがここに...？｣

数｢ちょっと実家に用があってついでに寄ったんや
お前のことやし自主練しとると思って来たらスタジオには誰もおらんし、先生に聞こうと思って廊下を出て、後はさっきの通りや
....悪かったな、助けるのが遅くなって｣

｢っ、ダメじゃないですか、女子更衣室に入ったりしちゃ笑｣

数｢は？｣

｢龍友さんは今大事な時期なんですよ？
そんな時に変な噂が立ったら候補生の皆にも｣

数｢それ以上言ったらぶっ飛ばすぞ？｣

｢....｣

バサッ

急に目の前が真っ暗になったのは龍友さんの上着をかけられたからだった

数｢これでお前の顔は見えんし今は俺以外に誰もおらん
全部吐き出せ｣

｢龍、友さ、｣

ギュッ

数｢この先何があっても俺が守ったる
今は何も考えんと泣いとき｣

｢わ、たし、好きな事を頑張ってただけなのにっ、何も悪いことしてないのに...！｣

数｢せやな、お前は何も悪ない｣

｢写真もっ、破られて、足もっ、わざとで...
なんでっ、私ばっかり....！｣

数｢大丈夫、大丈夫やから｣

どれだけ泣いていたか覚えてないけど、ずっと私を抱きしめて背中を摩ってくれていた事だけは覚えている

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