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外に出ると、結構な積雪で
事務所の車で送られてきた俺は、
傘を持っていなかった。
そんな俺に、
Aはさりげなく自分の傘を差し出した。
大雪の日。
人影はない。
暗い夜道。
全てが俺の味方のような気がした。
「.....ちょっと借りるね。」
そう言ってAの手から傘を取り
左手で持つ。
「.....転ぶといけないから。」
そう言って、Aの右手をとって
傘を持った俺の左手に絡ませた。
「.....どう？
キュンキュンする？」
そう言ってAを見下ろすと
やっぱり頬を赤く染めている。
「.....ふふ(笑)
キュンキュン......する。」
Aがそうやって恥ずかしそうに笑う時は
きっと嬉しい時なんだよな。
なんて思いながら、
二人で一つの傘に入って歩き出した。
「.....ここなの。」
Aが立ち止まった先は、
そんなに大きくはない、外観の可愛らしいマンションだった。
「.....ありがとう。」
そう言ったAは、
俺の腕に絡めていた手を解いた。
「.....あ。傘......借りてってもいい？」
そう聞いた俺に、
Aは答えない。
「.....泊まって....いかない？」
Aが遠慮がちに答えた。
「.....すごい雪だし.......
翔くんさえ嫌じゃなければ......」
Aの目が、俺をとらえて離さない。
昔からそうだった。
いつもは恥ずかしそうに目をそらすくせに
こういう時は
その澄んだ瞳で、俺を射抜くから
お前から心が離れられない。
「.....A。」
「翔くん.....私ね.....
大学の時からずっと.......
翔くんのことが........」
「.....A。
俺さ.......」
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ぽんず - 作者コメのお祝いの下りにんん？、むんん？、んん？ってなった以外はおもしろかったです (2014年10月22日 0時) (
レス) id: 3248178f95 (このIDを非表示/違反報告)
癒華 - つまらなくないです。とても面白いです！ (2014年10月19日 13時) (レス) id: 7267c534d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遥
| 作成日時：2014年2月16日 3時
