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Trrr......Trrr......
突然の音に、夏実と二人して顔を上げる。
キッチンカウンターに置いてあるスマホ。
夏実が目配せしたのを合図に
ごめん。と言って席を立った。
スマホの画面には
「A」の文字。
別室に移動するか迷ったけれど
夏実に話す手間が省けると思い
その場で通話ボタンをタップした。
「..........もしもし」
『.....ごめんなさい。仕事中だった....?』
Aの遠慮がちな声に「しまった」と思う。
いつもはAに合わせて
「おはよう」と言って電話に出ていた。
とたんに、
Aに対する罪悪感が湧き上がってくる。
「いや、さっき帰ってきたとこだよ。」
『....そっか。
雪.....すごいんだってね？』
「..........あぁ。
それで今日は早く帰って来たんだよ。」
『.....そっか。』
頭のいいAは、
俺の様子がおかしい事に
すでに気づいている。
「..........そっちは？
天気、どう....?」
必死に取り繕って言葉を選ぶ俺は
自分でもおかしいと思う。
『まぁ......いつも通り、寒いかな......』
「そっか。.....あのさ....」
リビングの夏実が、
様子を伺いながらこちらに向かって歩いてくる。
『.......誰か.......いるの......?』
Aの鋭い疑問と同時に
夏実が背中に抱きついたのを感じる。
「..........いや。
一人だけど.......?」
と、Aに初めてのウソをついた。
瞬間.......
後ろからのびた白い腕に
力が込められる.......。
『.....じゃあ、学校行ってくる。』
「..........っ、A........!!」
数分も話さぬうちに
Aとの電話は切られる。
今日の俺は、
この時間を楽しみに家へ帰ってきたはずだった。
それを忘れて
夏実を招き入れた
自業自得だ。
「..........今の.....
カノジョだったりするの.......?」
俺の背中で
夏実がポツリとつぶやいた。
「..........いや。」
俺がそう答えたのを合図に
夏実は、
俺の胸元へ潜り込んだ。
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ぽんず - 作者コメのお祝いの下りにんん？、むんん？、んん？ってなった以外はおもしろかったです (2014年10月22日 0時) (
レス) id: 3248178f95 (このIDを非表示/違反報告)
癒華 - つまらなくないです。とても面白いです！ (2014年10月19日 13時) (レス) id: 7267c534d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遥
| 作成日時：2014年2月16日 3時
