◆◇◆ D S H 5 ◆◇◆ 【S】

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sideユリ



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「.....うわ！っておまえ(笑)」


「だっ....いきなり声かけるからっ！」


写真を見つめてボーッと考え込んでたせいで
急に安田が現れたからびっくりして
変なリアクションをしてしまった事を
ものすごく後悔して。

そんなアタシには、お構いなしの安田は
写真を見つめて神妙な顔をした。



「アンタの仲間が、最悪な事してくれたわよ！」


キャンプでの出来事が蘇って来て
急に安田に対しての怒りがこみ上げてくる。


「.....仲間じゃないよ。」

静かに言い返した安田は


「俺は、2人を引き裂こうとは思ってないもん。」


写真を見つめながら
そんな事を言う安田に、なんか拍子抜けして。



「.....いつからいい子になったわけ？」

「いつの間にか。」


それはAと櫻井氏にとってはいい事なんだろうけど。
アンタは？


「.....それでいいの？納得してる？」


「おっ....ヤケに食いつくじゃん(笑)」


「.....べつにっ....食いついてるわけじゃ.....！！」


ゆっくりと歩き出した安田の背中を追いかけて。
その先を聞こうとする。

食いついてるし(笑)
って自分で自分にツッコミ入れながらね。



「.....ただ好きでいるだけで、いいんだ。
2人の間に俺が入り込む隙はないってわかったから。
.....ただ好きでいさせて。って
Aちゃんにも伝えたよ。」


「.....Aは、何て？」


「何も(笑)めちゃくちゃ困った顔してたよ。」


そりゃ、困るわな(笑)
って心の中で思ったけど、敢えて言わずに。



「好きでいさせて....って。それさ。
Aに言うの、おかしいじゃん。」


「.....なんで？」


「だって、Aに伝えちゃったら
それはもう“好きですよ”ってアピールでしょ？
ただ好きでいるだけって言うなら
敢えてAに伝える必要ないじゃん。」



アタシは“好きでいるだけでいい”って思って
アンタへの想いを ひた隠しにしてきたから。
そう思うだけなのかもしれないけど。

なんて、言えるはずもなくて。



「.....なるほどね。」


勝手に納得した安田は急にアタシの方に振り返って。


「.....お前、好きな人いないの？」


急にそんな事を聞かれて
顔がカッと熱くなるのを感じて。


「.....い、ない。」


咄嗟に答えたその言葉に。


「.....へぇ、美人なのに、もったいない。」


泣きそうになるような言葉を残して
ロッカールームに入っていった。



.....人の気も知らないで。


ホント、バカなヤツ。


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