[文スト]貴方に俺は必要ですか?「男主」[中/原/中/也]

素晴らしく最低なこの世界.17 ページ17

　
　
　
サー…………サー………



…………暖かい…
体が全身…暖かい……

さっきまで見ていた夢とは真反対…


まるで、お湯に浸かってるような……



「ん…………………」


………あれ?

目を開けると…摩訶不思議な光景が………


「っ!? なに、ここ……うわっ!!?」


突然目に入ったお湯と自分が全裸という現実…
パニクって、立とうとしたら、足が滑った……
このままじゃ、頭を打ちそうだ……


また後頭部が………


「っば!?」


誰かの声としっかりと抱えられた体。
ほぼあきらめ掛けた俺の頭を支えてくれた誰か。
もちろん……それは…


「あ、あ!な、なかはらさん………!?」


「手前……何やってんだよ………
どれだけ俺の肝を冷やさせるんだ…」


「す、すみません……」


ゆっくりと俺をお湯の中に戻してくれるなかはらさん…
そうか…ここ湯船か…


「って!?何で俺湯船に……!?」


「あ、あんまり動くなよ?
今は止まってるが、また血がドバドバ出てくる。」


「は、はい………じゃなくて!」


納得しかけた俺は、またハッとしてなかはらさんを見上げた…
……なかはらさんは髪の毛の泡を流していた…


「血まみれの手前を洗うついでに、俺も洗っちまおうと思ってな…」


「ぁ………!す、すいません……!!
俺…もしかして、なかはらさんの服に血が……
それに、俺寝てて……」


…変な気持ちだ……
普通の大人でも、俺は……
こんなに謝ろうと思わない…

(何故…)


「大丈夫だ。
とりあえず手前は体温めとけ。」


「すいません…………」



(こんなに……)


「謝らなくていンだよ。」


ぐしゃぐしゃと髪ごと頭を撫でられた…


(嫌われたくないと…)


「……ありがとう…ございます……」





　
(思うのか………)

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