素晴らしく最低なこの世界.16 ページ16
「___くん!雪だよ!」
「あー、はいはい……」
雪が…嫌いになったのは…アイツのせいだ……
俺の前のアイツは…
いつも笑顔で…
明るくて…
でも…
「ほら!ウサギさんだよ!」
「はいはい…元気でいいなー、お前はー」
雪で作った雪ウサギを自慢気に見せびらかして、また別の雪ウサギを作りに行く…
目は赤いビーズで表現されていて、白い雪によく目立つ…
綺麗だ…
「見て見てー!もう一個作ったのー!
こっちが___くんのねー!」
「雪でずっこけんなよー?」
はしゃぐアイツの名前は、兎山 要(とやま かなめ)。
同じ小学校の同級生…
本来なら…俺たちは知り合うはずもなかった…
「おい、兎山。また、こんなの作ってんのかよ!
お前、ホンットに女子みてーだな!」
暖かそうなコートを着込んだ、同年代の男子が片足をあげて、二つ並んだ雪ウサギを踏み潰そうとする……
毎度毎度、飽きずに要に対して突っかかってくるクソガキめ。
「はい、ドーン…………と」
それを横から、男子の腰あたりを狙って蹴ってやった。
「わぶっ!!」
ドサッと、雪の上に倒れた男子…
高そうなコートが雪まみれでザマァみろ。
「な、なにすんだよ!!」
「そのウサギ、俺のだから…」
「はぁ!?何いってんだよ!」
「それは俺のなの…。
だから踏み潰すお前を止めた。」
そう言ってどっか行け、と手を振れば、何も言えずに、逃げていった…
「ご、ごめん……またぼ…俺のせいだね…」
「別に………」
要はよく、あーゆーバカに絡まれる。
確かに、要はオドオドしてるし、華奢だし、気弱だし…
でも、いい奴だ。
たった一度…アイツらから助けた俺に、「友だち」だと言ってくれたんだ。
「___くんは…強いね……」
「強かねぇよ…」
でも………
でも………お前は、消えたんだ…
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優乃(プロフ) - お父さん最後の最後にとてもいい人で涙してしまいました…とっても好きですこの作品 (2017年3月14日 2時) (レス) id: 125a7385c7 (このIDを非表示/違反報告)
夜深 - すごい感動できる作品ですね! 続編のことまってます! (2016年8月15日 14時) (レス) id: ced2c79383 (このIDを非表示/違反報告)
黒闇(プロフ) - 素晴らしい作品です!是非、続編お願いします! (2016年6月27日 22時) (レス) id: 55dddb2e65 (このIDを非表示/違反報告)
沙夜(プロフ) - 完結おめでとうございます!!続編楽しみにしています!! (2016年6月26日 17時) (レス) id: 236ae9874e (このIDを非表示/違反報告)
朱白雪(プロフ) - 完結おめでとうございます!!続編期待してます!! (2016年6月25日 14時) (レス) id: 78c8136147 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いないな | 作成日時:2016年5月21日 14時