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「お、出た」

玉森くんとの通話が切れると、今度かかってきたのは藤ヶ谷さん。

「Aちゃん、無事?」
『…藤ヶ谷さんまですみません、ご迷惑を』
「あはは、いいんだけどさ。北山がグループチャットで煩いのよ。行く場所が思い当たらないって。Aちゃんの事、何も知らないって騒いでんの。北山が知らないなら、俺らに分かる訳ないのにね?だから連絡してあげて」
『…はい』
「ふふ、じゃあおやすみ」

プープーっと切れた通話。会話を聞いていたのか、玉森さんと藤ヶ谷さんとも知り合いなんだねって2人は驚いた様子。

そういえばデザイナーしてた事すら、言ってなかった。言ったら麦ちゃん、喜んでくれるかも。

なんて呑気な事を思ってる場合ではなくって。



宏光とのトーク画面を開くと、ひたすら電話がかかって来てた。メッセージもポツポツと。



A、ごめん俺が悪かった

猫飼おうよ

俺アレルギー治すから


不在着信

不在着信

不在着信


どこいんの?

帰ってきて


不在着信

不在着信


事故ってないよな?


不在着信

不在着信

不在着信


Aが行きそうな場所が分からない

俺、何も知らないね


不在着信


ごめんな





その後はずっと不在着信が入っている。




私も宏光の事、何も知らないかもしれない。


猫アレルギーだって知らなかった。





『…もしもし』
「A…やっと出た」
『…心配かけてごめん、今ね麦ちゃん家』
「麦ちゃん家…」
『今から帰る、ね』
「迎え行くから住所送って」
『え…大丈夫だよ、』
「財布持ってねーだろ。それに…次喧嘩した時、また迎え行けるように覚えとくわ」

『…え』
「住所送れよ」

ブチッと切られてしまった。


横を見るとなんだか慌てた様子の豆田くん。


「や、聞くつもりなかったよ?ね?麦ちゃん」
「声丸聞こえだから不可抗力ね」
『…別に聞いても良いけど』


豆田くんは何故かホッとする。



「A、愛されてるね」
『…うん、』

「よーし迎え来るまで飲もう!」


あ、もちろんAは水ねってコップに注ぎ足してくれる麦ちゃん。



その麦ちゃんがトイレに行ったタイミングで、邪魔してごめんねって豆田くんに言う。本当だよって意地悪そうに笑うから、進展した?って聞くと、首を横に振った。


「大人ってやっぱりダメ。後先考えて進めない。だから向き合ってくれる北山さんは凄いよ」
『…そっか』
「俺は卑怯だからね」



私もだよ、とは言わなかった。


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ちび - でもいつかね。幸せになって欲しいですわ⚪︎♡ (2023年2月16日 15時) (レス) id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
ちび - めっちゃ良かったです、永遠なんて無いだから時間を大切にしようと思うんです、アイドルだって1人の人間ですもんね。何もしてやれないし、なヤキモキしてるミツめっちゃ可愛い買ったです。今はね、もう少しアイドルでいて欲しいな思いますね。。 (2023年2月16日 15時) (レス) @page39 id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナナシ | 作成日時:2022年1月25日 23時

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