明日は君に花を贈ろう 3

周りにも自慢したいよ？ ページ18

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「って事で、久しぶりに僕と出張です」
『…仕方ないわね』
「もっと喜んで下さいよ！」


梅雨が明け、本格的な夏の天気が続く中、後輩の鈴木くんが久しぶりに話しかけてきた、と思ったらまさかの出張が告げられる。


去年まで私と鈴木くんの担当だった営業先が、今年から大阪支社の担当になった。最近までは順調に進んでいたのに、最後にしくじったらしい。それで前担当の私達が対応に行くことになってしまった。


『私から離れて半年、どこまで成長したのか楽しみだなあ』
「しましたよ！任せて下さい！」
『口だけは達者よね本当』
「酷い！本当に成長しましたって！」


ワーワー騒いでるけど無視。

でも久しぶりに一緒に仕事出来るのが、少しだけ嬉しかったり。そんなこと言わないけど。


「てかAさん。朗報ですよ」
『朗報？』
「出張の日程が11日から14日なんですよ！」
『…ん？何が朗報なのよ。むしろ土日被ってて最悪なんだけど』
「うわあ…Aさんって彼氏さんの仕事も把握してないんですか？」
『え？』


鈴木くんは少し腰を折って、私の耳元にくる。


「大阪公演被ってますよ」
『…そういえば。てゆうか、なんで鈴木くんが知ってんのよ』
「なんとなく、です」


てことで最終日は午前で仕事終わるので、見に行きましょうー！って騒ぐ。オーラスらしいですよ！あ、オーラスっていうのは、ツアー日程最後の日って意味でしてってなんか興奮してるし。


『行きましょうって言ったってね…もうチケット取れないし』
「それが僕、2枚持ってます」
『は？何で』
「ふふ、コネです」


どこのコネよ、って聞く前に、鈴木くんは上司に呼ばれてしまった。楽しみですねーって私の元を去っていく。


その後も聞き出そうとしたけど、鈴木くんは外回りの後に直帰してしまった。



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